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ヴォージョレー・ヌーヴォーの季節ですが、ドイツ旅行のメモリアル白ワイン [お気に入り]



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(今年のヴォージョレー・ヌーヴォーのできばえは?)
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(ボトルデザインがユニークなドイツのフランケンワイン

初物好きの日本人にとって“今年の新酒”というだけでも商品価値があるのか、毎年
11月の第3木曜日に解禁されるヴォージョレー・ヌーヴォーの季節になると、飲んべえでない私でも、今年の新酒の出来はどうなの?と気になってしまい、ワイン売り場の前を素通りすることができません。

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(グリューワイン:ドイツ各地の「クリスマス市」ではお馴染みの温めて飲むワイン)


といっても、料理をよりおいしく味わうためにワインをほんの少々いただくだけなので、普段家では、寒い冬のお楽しみとしてグリューワインをナイトキャップ代わりに飲むくらいです。

最近は、航空機への液体手荷物持ち込制限が強化されているため、せっかくワインの名産地に旅行することがあってもおみやげ用のワインを持ち帰るのが面倒で、なかなか買う気になれません。
昨年
9月のドイツ旅行でも、フランケンワインの産地であるビュルツブルクのワインがとても気になっていたのですが、味見の機会もないままになっていました。

たまたま先月のクロアチア旅行の帰国便の機内通販カタログに、フランケンワインを見つけたので、宅配してくれる気楽さから注文してみました。


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(マイン川にかかるアルテマイン橋からみたマリエンベルク要塞

ノイシュヴァンシュタイン城にほど近いフッセンからロマンチック街道を北上した私たちは、ビュルツブルクに到着するとまずマイン川対岸の丘の上にあるマリエンベルク要塞を見学しました。

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(マリエンベルク要塞の中庭)
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(礼拝堂)

この要塞は、13世紀初頭にマリエン礼拝堂を囲むように築城したのが始まりです
17世紀に、当時の司教ユリウス・エヒターによってルネッサンス様式の城郭に改造された建物が今も残っています。1719年まで歴代司教の居城だったといいますが、当時の司教は領主を兼ねており絶大な権力と経済力を有していました。

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要塞の外壁には大砲や銃で敵を攻撃するための小屋が並ぶ)
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(マイン川に面した「君主の庭」)
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(「君主の庭」からみたビュルツブルク市街の眺望:
眼下に広がる葡萄畑

要塞という名前が示す通り、戦いに備えた堅固なつくりのお城でしたが、周囲には葡萄畑がたくさんあり、フランケンワインの産地であることが一目でわかりました。

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(要塞の隣の山地に見える玉葱型の塔は、礼拝堂「ケッペレ」)

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(ビュルツブルクの世界遺産・レジデンツの前には女神像
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(「ホーフガルテン(皇帝の庭)」と名付けられたレジデンツの庭園)


ビュルツブルクで私たちが次に向かったレジデンツは、領主司教が居城を街中に移すために建てた宮殿です。

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レジデンツの建物は、中央棟を挟んで北と南に翼棟をもつ構造

かのナポレオンが「ヨーロッパで一番美しい司教の住まい」と感嘆したというレジデンツは、天才建築家バルタザール・ノイマンの設計したロココ様式。ドイツ・バロック建築の最高峰といわれ、大きな柱がないのに第二次世界大戦の戦火にも耐えた建物は世界遺産になっています。

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(レジデンツの絵はがき:「階段の間」のフレスコ画が有名)

特に、広さ
600平方メートルの「階段の間」天井にティエポロが描いたフレスコ画は有名。絵はがきでもその豪華さは伝わってきますが、内部を見学する時間がなかったことは残念です。


さて、自宅に届いたワインの箱を開けてみると、まさにそのビュルツブルクのワインで、フランケンワインを代表するユリウス・シュピタール醸造所のワインでした。

ネットで調べてみると、この醸造所は1576年に、時のビュルツブルク司教ユリウス・エヒターフォンメスペルブルン侯によって設立され、養老院や病院などを運営する財団法人の事業として財団設立当初から続いているとのこと。もしかするとマリエンベルク要塞を城郭に改造した人物としてガイドブックに名前のあった司教と同一人物かもしれません。

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ユリウス・シュピタール醸造所のワインボトルの裏面

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(マリエンベルク要塞の隣にある礼拝堂「ケッペレ」)


ボトルの裏側には、独特のタマネギ型の塔がある建物の絵がプリントされています。なんか見覚えが・・・
レタリング文字をよく見たら、やはりビュルツブルクのマリエンブルク要塞の裏山(?)に見えていた礼拝堂「ケッペレ」のスケッチでした。


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(ユリウス・シュピタールのワイン)

早速、ぶどう品種は2006年のBacchus、品質等級はKabinettというワインを味わうことにしました。

このフランケンワインは辛口でコクがありながら飲み口がさらっとしており、チーズポテトや、ベーコン炒めなどのお総菜にもピッタリ。ドイツワインというと昔よく見かけた「リープフラウミルヒ」のような軽い甘口白ワインのイメージが強いので敬遠していたのですが、こういうタイプなら歓迎です。

味は私の好みなのですが、購入価格が13000円以上だったので、デイリーワインにするには高価すぎ。もう1本はお正月のお屠蘇代わりに飲むことにしました。

ユリウスシュピタール醸造所の利益は老人ホームや療養所など財団の慈善事業などに使われるそうですが、ビュルツブルクのガイドマップを見ると中央駅近くにあるユリウス養老院と同じ場所に、直営のワインレストランもあるようです。

財団法人としての慈善事業を継続するには、ワイナリーで利益を上げなければならないということで、品質管理を徹底させて素晴らしいワイン作りに励み、ワインの品質の向上で輸出が増え続けているとも書いてありました。
このワイナリーは、国からの赤字補填を期待している天下り役人ばかりの財団法人ではないことだけは確かですね。





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HANABI・・・降り注ぐ『満天の星』 [お気に入り]

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(信州・原村あたりは晴天率が高いエリア)
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(八ヶ岳山麓の別荘:夜は、『満天の星』が見える)

関東地方は、とっくに梅雨明けしたはずなのに夏らしいすかっとした暑さが続きません。

八ヶ岳山麓の信州・原村あたりは晴天率が高くて湿度が低いエリアと言われているのに、この秋「八ヶ岳農場音楽祭」を計画している原村在住の小林節子さんのブログによると、夏休みに入っても梅雨のような日々が続き、農家の方々は虫が大量に発生するのではないかと頭を痛めているそうです。

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(八ヶ岳山麓では、大化以前から神様に捧げる米を作っていた)

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(4万発の花火の競演で有名な信州・諏訪湖:
「湖上花火大会」、今年は8月15日)

今年の夏は“北日本を中心に冷夏のおそれ”という情報もあり、八ヶ岳山麓に限らず、稲や野菜の生育状況が気になります。これから、夏らしい陽気になって太陽の恵みが十分得られることを願わずにはいられません。

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さて、都内では隅田川の花火よりも人出が多い「江戸川区花火大会」に出かけて、不況気分を吹っ飛ばすような14000発の華やかな花火を堪能してきました。

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花火見物には少し肌寒い夜でしたが、焼き鳥やビールを買って、新聞に折り込まれた『花火大会のプログラム』持参で会場近くの江戸川河川敷まで行きました。河川敷や土手周辺を埋め尽くした江戸川区側だけでも90万人という見物客は、感嘆の声をあげたり拍手しながら『満天の星』が降り注ぐような花火の美しさに大満足の様子でした。

常連の近隣エリアの家族連れやグループなどのほか、遠くから花火見物に駆けつける人も年々増えているようです。海外の花火大会を実際に見たことはないのですが、日本は花火による繊細な表現では最高の技術力を持っているのではないでしょうか。

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花火のデジカメ撮影は初めてでしたが、一瞬の瞬きの間にも刻々と移り変わる花火の姿を映像としてとらえるのは難しく、私の未熟な撮影技術ではとてもその美しさを再現出来ないのが残念です。

私の好きなミスチルの「HANABIという歌には、次のような一節があります。

“決して捕まえることの出来ない
 花火のような光だったとして
  もう一回 もう一回
  もう一回 もう一回
 僕はこの手を伸ばしたい
 誰も皆悲しみを抱いている
 だけど素敵な明日を願っている
 臆病風に吹かれて 波風がたった世界を
 どれだけ愛することができるだろう?”

 (作詞:桜井和寿)

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打ち上げ地点にほど近いセンター会場は音楽つきで臨場感も増すのですが、帰り道が大混雑になるし、花火の破片が落ちてきて服が焦げる心配もあるので今回は少し“遠い花火”で妥協。それでも十分迫力がありました。でも、次回は、花火撮影のコツを少しは調べて、撮影に適した場所取りなどの準備をし、少しでも納得の出来る花火写真を撮ることにチャレンジしたいと思います。
“シャッターチャンスを逃す”ことの解決方法としては、動画撮影という手もありますが、幻想的な美しい映像にふさわしくない音声が周りから発せられるリスクという新たな問題が生じます。やっぱり花火撮影は一筋縄ではいかないのかもしれません。

お盆休みに向けて日本各地で予定されている花火大会が無事催行され、子供も大人も夜空を彩る花火に感動し、輝ける明日を夢見ることが出来ますように。





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「ラデュレ」のサロン・ド・テが日本橋・三越にオープン。マイ「ラデュレ」ブームは続く? [お気に入り]

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(ウインドーディスプレイが美しいパリ・ボナパルト通りの「ラデュレ」)
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(ショッピングバッグのモチーフにもなっている『ルリジューズ』:
『修道女』という意味の、シュー生地を使ったフランスの伝統菓子
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日本橋店の「サロン・ブルー・ド・プリュス」は、ボナパルト店2Fのサロンへのオマージュとして造られたとか)

昨年夏、銀座・三越に「ラデュレ」のサロン・ド・テが開店して女性たちの大行列ができたことはこのブログでも何度かご紹介しましたが、先週、日本2号店が日本橋・三越にオープンというインフォメーションを見ました。

銀座・三越店の開店日は、マカロンを買うのに最大7時間並んだ人もいたほどの大混雑になりましたが、今回はどうだったのでしょうか。
日本橋・三越本館3Fにオープンしたサロン・ド・テは銀座店よりもさらに優雅な空間と思われます。リリース情報によると、“パリのサンジェルマン・デ・プレにあるボナパルト店のサロン・ド・テのような、19世紀さながらの装飾を施し、当時の優雅な雰囲気を再現する”とありました。

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(ボナパルト店、1Fのティールーム)
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銀座・三越のサロン・ド・テは、マリー・アントワネットのプライベートルームにインスパイアされたというインテリア)

実は、私と娘は昨年末このボナパルト店を訪れたのですが、“貴族の館のような重厚なインテリア”という2Fのサロンではなく、オリエンタルな雰囲気漂う1Fのティールームを利用したので、日本橋店のサロンに行ってみるのが楽しみです。

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(小物のラッピングペーパーと、リネン類のケース)
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(ラッピングペーパー柄のショッピングバッグは大人のピンク)
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(サービスのペーパーバッグは、甘いピンク)
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(ラッピングペーパーの犬と猫が両面にプリントされたショッピングバッグ)

最近の「ラデュレ」は、マカロンなどのお菓子以外に、ショッピングバッグやポーチ、香水や芳香キャンドル、サッシェなど可愛い小物が色々あるので、パリ旅行のおみやげに買い求める女性も多いようです。可愛い小物が大好きな私たちも、もちろんショッピングバッグなどを買いました。

外出時に荷物が多くなりがちな私の必需品であるショッピングバッグ、「ラデュレ」のラッピングペーパー柄のショッピングバッグが最近のお気に入りです。ショッピングバッグは、ピンク色の小型と、グレイの大型の両方を買いましたが、紫外線や冷房対策グッズが手放せないこれからの季節は小型のバッグが活躍しそうです。

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(スパイシーな甘い香りが漂う扇子)
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(扇子にも「ラデュレ」の文字が・・・)
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(箱入りの扇子はプレゼントにぴったり)

関東地方は予想より早く梅雨明けしたのに戻り梅雨のような不順な気候。暑さに弱い私は、これからしばらくの間毎日寝るときもクーラーのお世話になる日々が続きます。

今年は、UVカット効果があって、ボタンを留めればカーディガンのようにはおれる薄いスカーフがはやっています。冷房温度を1度高く設定するだけでもCO2削減効果があるはずですが、まだまだ冷房が効きすぎている場所が多いので、暑い日でも油断は禁物です。

冷房の効きすぎは苦手とはいえ、扇子は蒸し暑い日本の夏の必需品。今年はパリの「ラデュレ」で買ったシックな色合いの扇子を使っています。あおいだ時に、ほのかにスパイシーな香りがするのですが、「ラデュレ」のサイトでチェックしたら、“Eventail parfumé à la violette
とあったので、スミレの香りでしょうか。

そういえば、美のあくなき求道者であった『皇妃エリザベート』の晩年の外出に、日傘と扇子は素顔を隠すための必需品だったといいます。過酷なダイエットに励みながらスイーツ好きはやめられなかったという『皇妃エリザベート』を思い出してしまいました。



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自宅でラベンダー栽培に挑戦したけれど・・・ [お気に入り]

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南仏プロヴァンスセナンク修道院へのアプローチはスリリングな崖沿いの道路)
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(セナンク修道院の庭に広がるラベンダー畑:
中に入れずフェンス越しに・・・)

毎年、ラべンダーの開花時期になると、べンダーの香りが大好きな私は紫色のラべンダー畑に立っている自分を夢見ます。

数年前には、南仏プロバンスの「セナンク修道院」 まで出かけて、ラべンダー畑の素晴らしい景観を堪能しましたが、遠くから眺めるだけで畑の中に立ち入ることはかないませんでした。


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(中央高速双葉SAのハーブガーデン)

最近は、関東近県でもハーブガーデンでラべンダーを栽培しているところが結構あるようなのですが、開花時期が梅雨時と重なるためなかなかお出かけのチャンスがありません。以前、たまたま通りかかった中央高速「双葉SA」のハーブガーデンで満開のラベンダー畑を見つけたときはとても感激したのですが、先を急がなければ行けない事情があり、ゆっくり鑑賞することができませんでした。

ラべンダーは、古来より香料の原料に使われていますが、生花としては殆ど流通していないようです。湿度に弱く2-3日で落花してしまうデリケートなラベンダーですが、生協の共同購入で切り花を入手したことがあり、ドライフラワーにして、ポプリを作って芳香剤代わりに廊下に吊しておきました。


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(6月13日:ラベンダーが開花
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ほのかに香るラベンダー

さて、今年は少し欲が出て、ラベンダーの苗木を買って栽培にチャレンジしてみました。
生協から届いた小さなポットに植えられた苗木2本を説明書通りに大きめの鉢に植え替えました。イングリッシュ系のラベンダーは高温多湿を嫌うというので、バルコニーのよく日の当たる風通しの良い場所に鉢をおき、水をやりすぎないように注意しました。
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月中旬、紫色の小さなつぼみが膨らみ、顔を近づけるとほんのりとラベンダーの香りがするようになりました。少しずつ花が開きました。

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(6月16日:今年のラベンダーはこれが満開?)


鉢一杯に紫色の花が広がるイメージだったのですが、つぼみの数が増えない内に、花が枯れ始めるという予想外の展開に・・・

切り花を買っても、すぐに散ってしまうので花の命が短いことは知っていましたが、それにしても、つぼみの数があまりにも少な過ぎました。

むせかえるようなラベンダーの香りに包まれたかったのに・・・残念!

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ラベンダーの切り花:届いた日にこんなに落花)
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(ラベンダーはドライフラワーにしてポプリに)

せめてポプリくらいは作りたいと思って、全部枯れてしまう前に花の枝を切ることにしました。収穫できたラベンダーは少しだけだったので、今年も生協で切り花を購入しました。こちらはたくさん花が咲いており、部屋の中にラベンダーの香りが漂っています。落花のスピードが速いので落ちた花はすぐに乾燥するように紙の上に広げてあります。

鉢植えで来年たくさんの花を咲かせるためには、夏の高温多湿に注意して、9月には伸びすぎた枝や混み合っている部分の枝を切り取ってやらないといけないようです。冬は、0度以下にならなければ戸外でも大丈夫といいますが、東京は微妙な温度帯です。マンション暮らしなので鉢の置き場所に悩みます。

そういえば、苗木を買ってから一度も肥料をやらなかったことを思い出しました。肥料の与えすぎは良くないそうですが、全く何もやらなかったのも敗因でしょうか。


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「告白 源氏物語」・・・オペラで語る古典の祭典? [お気に入り]

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先週末、埼玉県ふじみ野市で開催された音楽イベント「告白 源氏物語」に行ってきました。

“千年の時を越えて今、甦る光源氏をとりまく54人の女たち、オペラで語る古典の祭典”というふれこみでしたが、朗読と音楽のコラボが面白くてあっという間の2時間でした。

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(「源氏物語絵巻」と「紫式部日記絵巻」:
源氏物語一千年紀記念切手」より


昨年は、「源氏物語」一千年紀ということで、記念切手も発売されるなど様々な催しがあったようですが、私がチェックしたのは今年の春深夜枠のTVでオンエアされたアニメ「源氏物語千年紀Genjiだけ。このアニメは、内容も大人チックで中孝介のエンディングテーマが印象的でしたが、“もっと見たい!”というところで終わってしまったのが残念でした。

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(開演前:緞帳の図柄は地元新河岸川の昔の風景)

「源氏物語」は平安女流文学の傑作ですから、物語のあらすじくらいはおぼろげに知っていましたが、マンガ「あさきゆめみしも、老眼のせいもあって途中で挫折していました。会場のお客様の中には、紫式部が書いたとされる文体のままで原作を読み込んでいる方もいらっしゃいましたので、シニア女性中心の数百人の観客で『源氏物語検定』を競ったら私など最低レベルかもしれません。


告白 源氏物語

告白 源氏物語

  • 作者: 杉谷 みどり
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2008/05/22
  • メディア: 単行本

開演前のロビーで「告白 源氏物語」の本を売っていたので思わず買ってしまいました。

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(杉谷みどりさん)

さて舞台の方ですが、はじめに、「告白 源氏物語」の著者である杉谷みどりさんが登場して、挨拶と本日の演目に関する簡単な解説がありました。

 “光源氏を中心にして書かれた「源氏物語」に登場する千年前の女性たちが、どんなことを感じ、何を悩み、何に心をときめかせていたのか。
時代を超えて聞く、彼女たちの告白。どうぞ音楽を肌で感じながら、悠久の歴史のかなたに心を遊ばせてください。
本日告白者として登場するのは、『桐壺の更衣』『藤壺』『朝顔』『夕顔』『六条御息所』『唐猫』『妹尼』の6人プラス1匹です。”

ふじみ野市立勤労福祉会館の地元、新河岸川の昔の風景を描いた緞帳があがりました。
オープニングは、約60人の混声合唱団による童謡『うさぎ』です。

大杉富子さんの朗読による、第一章『桐壺更衣の告白』が始まり、聴衆は千年前の姫君たちの住む世界へ引き込まれていきます。

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(メゾソプラノ歌手のアヴェ・マリア

朗読が終わると、白いヴェール姿の女性が登場し、カッチーニの『アヴェ・マリア』をメゾソプラノで切々と歌います。幼い光源氏を残して亡くなった桐壺とキリストの母となったマリアに“母”以外に共通項があるのか?その答えは、「告白 源氏物語」を読むと納得。

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(舞台左手に着席しているのが朗読者・大杉さん)

姫君たちの告白の朗読とそのイメージを表現する音楽(独唱、合唱)という構成で舞台は進行していきました。『告白源氏物語合唱団』は市民合唱団ですが、独唱するのはプロのオペラ歌手。オペラのアリアなどを『告白源氏物語アンサンブル』(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)をバックに歌い上げます。

20分間の休憩をはさんだ第五章は、ムソルグスキー『展覧会の絵』の不気味な旋律で幕を開けます。

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源氏物語の登場人物の中で最も有名な悪女、生き霊となってライバルたちを呪い殺したという六条御息所の告白』に、レスピーギの『哀れな心』はぴったりの選曲でした。

次の第六章『唐猫の告白』、ロッシーニの『猫の二重奏』という歌では、お二人のオペラ歌手のユーモラスな仕草に会場から笑い声が。

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そして、本日の最終章『妹尼の告白』では、モーツアルトが作曲しカトリックの聖歌としてなじみ深い『アヴェ・ヴェルム・コルプス』が唄われました。
一瞬教会の聖堂にいるような気分になりましたが、この歌は、ウイーン少年合唱団なども唄っているのでカトリックに縁のない方も聴いたことがあるはず。

最後は、パッヘルベルのカノンを日本語で合唱する『遠い日の歌』で閉幕となりました。

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暗くなった客席で目を閉じて朗読の声に耳を傾けていると、雑念を感じることなく「源氏物語」の大胆な解釈の世界に溶け込んで行くことができました。

“オペラで語る古典の祭典”という割にポピュラーな合唱曲が多かったのは、個人的に少し物足りなさを感じましたが、「源氏物語」のファン層を考えるとオペラばかりではとっつきにくいかもしれません。

実は、このイベントの発案者は元気埼玉というサイトを運営する松山さんという知人女性。
昨年「告白 源氏物語」の朗読会に参加して感動した松山さんは、“朗読と音楽を一緒に味わってみたい”と思いついたそうです。夢のようなアイデアを形にしてしまった松山さんのバイタリティと、素人の無謀な(?)思いつきにつきあってくれた音楽関係者の協力で実現したイベントでした。

後から知ったのですが、オペラ歌手で音楽監督を務められた小林浩さんは、前日リハでは過労のため声が出ない状況だったとか。最初の独唱の時は喉の不調が私にも感じられたのですが、唄っていくうちに声が伸びやかになっていくのがわかりました。市民合唱団の中には後期高齢者の方もいらっしゃると聞きましたが、歌う楽しさが元気の素かもしれません。

ところで、私たちはラジオ全盛期の深夜放送で育った世代なのに、テレビの『百聞は一見にしかず』という力業におされて、『朗読』の世界から遠ざかっていました。久しぶりに本格的な朗読を聴き、あらためて『朗読の力』を感じました。

会場で買い求めた「告白 源氏物語」の本を開くと、朗読者・大杉富子さんの、時には感情を込めて激しく、時にはゆったりと語りかけるような声が聞こえてくるような気がします。

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藤村俊介さんのチェロとギターの織りなす世界が誘うアンダルシアの旅 [お気に入り]

ダンツァ・エスパニョーラ チェロとギターのための作品集2

ダンツァ・エスパニョーラ チェロとギターのための作品集2

  • アーティスト: 藤村俊介,ピアソラ,グラナドス,アルベニス,ファリャ,シュトローブル(エリカ)
  • 出版社/メーカー: マイスター・ミュージック
  • 発売日: 2009/04/24
  • メディア: CD

チェロ奏者・藤村俊介さんの最新CDは、ギターとの共演による「Danza Espanola」です

信州・原村のリングリンク・ホールで素晴らしいチェロの演奏会を堪能して帰京し、久しぶりに藤村さんのファンサイトをチェックしたところ4月末に新譜CDが発売されていたことがわかりました。それも私の好きなスペインの香りが漂うタイトルなので、早速アマゾンで検索して注文しました。

藤村さんの演奏会でも、スペイン東北部カタルーニャ地方が生んだ偉大な音楽家、P.カザルス編曲によるカタルーニャ民謡“鳥の歌”を聴いたことがありますが、このCDではスペイン南部のアンダルシア地方をテーマにした曲が取り上げられているのが特色といえるでしょう。

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(フラメンコショー)


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(グラナダのアルハンブラ宮殿:
アラヤヌスの中庭)

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(コルドバ:花の小路)

スペインは私が初めて訪れたヨーロッパですが、広い国土と豊かな食生活そして偉大な文化遺産に圧倒され、美術館巡りの楽しさに目覚めた国です。特にアンダルシア地方は、この地を700年にわたって占領したアラブ民族による文化遺産、キリスト教徒による国土回復運動(レコンキスタ)や大航海時代のスペインを実感できる観光名所があり、世界史年表をひもとくきっかけを与えてもくれました。

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(アルハンブラ宮殿の門(左)、壁を彩るアラベスク)

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(アルハンブラ宮殿:ライオンの中庭)
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(宮殿の北にある「アルバイシン地区」:
アラブ風の町並みが今も残っている)
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(夏の別荘、ヘネラリフェの中庭)
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(グラナダの中心街)
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(グラナダの大聖堂:黄金の祭壇。
隣にある「王室礼拝堂」には、スペイン王国の祖となった王らの墓所がある)


前置きはさておき、藤村さんがエリカ・シュトローブルさんのギターと共演している
Danza Espanola」に取り上げられている全11曲の曲目を紹介しておきましょう。

◆E.グラナドス:アンダルーサ、オリエンタル
◆I.アルベニス:コルドバ、タンゴ、マラゲーニャ、グラナダ
◆M.de
ファリャ:スペイン舞曲第1番
◆A.
ピアソラ:オブリヴィアン、カフェ1930、リベルタンゴ、アディオス・ノニーノ

最後の4曲の作曲者であるピアソラはアルゼンチン・タンゴの世界にモダニズムを確立した有名な作曲家。その中の「リベルタンゴ」を、私は原村のリングリンク・ホールでチェロとギターの両方を別々に聴いています。

07年に藤村さんのチェロ演奏会で初めて聴いたこの曲を、’08年に鈴木俊夫さんがギターで演奏したとき私の頭の中ではギターと藤村さんのチェロ演奏が重ねあわされていました。そのとき鈴木さんが演奏に使われたギターは、グラナダのアルハンブラ宮殿近くのギターショップでで買い求めた楽器であるということを後でお聞きしました。
今回ようやくチェロとギターの合奏で聴くことができ、「リベルタンゴ」は私のお気に入りの1曲となりました。

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(コルドバのメスキータ:もとはイスラム教徒のための巨大な回教寺院。
13世紀にキリスト教のカテドラルに大改造)
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(イスラムとキリスト教の多様な様式がミックス)
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(ローマ時代に築かれた「ローマ橋」が遠くに見える)


1998年の夏の終わりに行ったスペイン旅行の行程は、
バルセロナ→グラナダ→コルドバ→セビージャ→マドリードというものでした
駆け足で巡った9日間の旅行でしたが、『情熱と哀愁』『カトリックとイスラム』『過去と未来』が交錯するというスペインの魅力にふれることはできました。

当時から私と娘は浦和レッズを応援していましたが、レッズサポにとってヨーロッパサッカーは遠い世界で、スペインサッカーには注目していませんでした。あれから10年たった今、私と娘は華麗なパスサッカーで昨年のEURO2008を制したスペイン代表と、今年のUEFA・CLの王者となったバルセロナのサッカーに惹かれています。私にとってスペインの魅力がまたひとつ増えたわけで、リーガエスパニョーラのサッカー観戦という新たな目標もできました。

もし次にスペインに行く機会があれば行ってみたいところがいくつかありますが、その中のひとつに画家ピカソが生まれてから幼少期までを過ごした町、マラガがあります。
地中海に面し、ジブラルタル海峡を越えればアフリカ(モロッコ)という南スペインのビーチパラダイスに伝わる古民謡マラゲーニャ」の民族的な旋法の特色を生かした、アルベニスの曲を聴いているとスペインへの旅心がかき立てられます

ところで、このCDを聴いているとα波の効果でしょうか、リラックスして眠くなってくるのです。
スペイン音楽に興味のある方はもちろん、不眠症にお悩みの方にもおすすめの1枚です。

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”苦労人”安蘭けい、19年間の『宝塚生活卒業』のニュースにもらい泣き [お気に入り]

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宝塚大劇場を去る安蘭けい;Photo by MSN SANKEI

宝塚星組の男役トップだった安蘭けいが、426日の東京宝塚劇場公演千秋楽をもって退団し、19年間の宝塚生活を卒業しました。

ふだん宝塚には縁のない私ですが、長年朝海ひかるをひいきにしていた宝塚フリークの知人に誘われて初めて見た舞台の主役が安蘭けいだったので、以来ちょっと気になるスターになっていました。

2007
6月、99%が女性客で埋め尽くされた東京宝塚劇場“安蘭けい・星組男役トップお披露目公演”は、舞踊詩「さくらー妖しいまでに美しいおまえー」とミュージカル「シークレットハンター」でした。

桜をイメージテーマにした舞台で繰り広げられる『久保田一竹の辻が花』の衣装が織りなす絢爛豪華な舞踊絵巻に歌舞伎とは趣の異なる日本の様式美を感じましたが、最後は一転してお約束のラインダンスが披露されたので、初宝塚の私はちょっと驚きました。

休憩後は、カリブ海を舞台にしたミュージカル。真っ白なスーツを着こなした女性が男性を演じているのを見ても思ったほど違和感はなく、むしろ彼ら(?)のとてもりりしい姿と美しいダンスシーンに釘付けになってしまいました。

圧巻は、舞台にもうけられた大階段を使ったグランドフィナーレ。全員が舞台に並ぶ中、大きな羽根を背負って唄いながらたったひとりで階段をゆっくり降りてくる安蘭けいの晴れ姿でした。

1991
年、第77期生として宝塚歌劇団に首席入団しながら、17年目にして待望のトップお披露目公演というベテランらしい貫禄と初の主役公演という初々しさにとても好感が持てました。

東京公演に先立つ宝塚大劇場初日の安蘭けいは、「夢は見るだけでなくかなえるものです。でもたとえかなえられなくても、その道程が夢なのです」と挨拶して、客席が感動の涙に包まれたと言われていますが、その舞台を見ていた知人は「とうこ(愛称)、よく耐えてきたわね」という思いで涙がとまらなかったそうです

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中にオンエアされたテレビ番組(キミハブレイク)でも、安蘭けいのこれまでの宝塚人生が詳しく紹介されていましたが、涼風真世に憧れて志した宝塚音楽学校の受験は、4度目の受験で合格。同期のリーダー的存在として早くから注目されながらトップに上り詰めるまでには、同期だけでなく後輩よりも時間を要したという苦労人です。

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(77期最後のひとりの退団に、同期入団の元雪組男役トップ朝海ひかるも駆けつけた。
「宝塚は私の青春」と言う安蘭。苦楽を共にした仲間たちと一緒に歩んできた”男役の安蘭けい”に対して言ってあげたいことは「ご苦労さま」;Photo by MSN SANKEI

宝塚大劇場でのさよなら公演千秋楽、サヨナラショーには、同期入団だった朝海ひかるも花束贈呈に駆けつけたそうですが、安蘭けいは77期生の最後の一人でした。

安蘭けいは、テレビ番組のインタビューで、 “トップとして大きな羽根を背負って大階段を降りることだけをめざして宝塚に入団”と言っていましたが、“トップに就任したときから退団のことを考えていた”とも言っていました。同期の朝海ひかるは2002年に雪組男役トップとなり2006年に退団していますが、そんなに苦労して手に入れたトップの座を潔く明け渡してしまうのも宝塚の魅力のひとつなのでしょうか。

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(ミュージカル・エリザベートのチラシ:
涼風真世と朝海ひかるがエリザベートを演じた)

ところでまったくの偶然ですが、皇妃エリザベートのことをもっと知りたかった私が昨年末に見た『ミュージカル・エリザベート』エリザベート役は、安蘭けいの憧れの先輩・涼風真世と同期の朝海ひかるのダブル・キャストでした。

私は、知人がひいきにしていた朝海ひかるの公演日に行きましたが、元男役トップスターでありながら妖精のような雰囲気があり可愛らしくキュートな朝海ひかるが演じるエリザベートはとても魅力的なキャラクターでした。生協の団体鑑賞のおみやげ付きチケットでしたが、さらに当日終演後にエリザベートの愛息ルドルフ役の二人と一緒のトークショーを見ることができました。こちらでは彼女の素に近いと思われるトークが楽しめたので二重にお得な観劇体験となりました。

さて、夢の第1章の幕が閉じた安蘭けいですが、間もなく開幕の第2章ではどんな夢と感動を私たちに与えてくれるのか今から楽しみです。


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『皇妃エリザベート』が愛したウィーンのスイーツ巡り・・・”二都物語”(ウィーン) [お気に入り]

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(絵葉書:皇帝フランツ・ヨーゼフと皇妃エリザベート)
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(絵葉書:昔のウィーンの街)

中欧の旅、私たちの次の目的地は、ハプスブルク帝国の本拠であったオーストリアのウィーンです。

1854年4月24日、バイエルン公女だったエリザベート(シシィ)は、ハプスブルク帝国の若き皇帝フランツ・ヨーゼフに見初められて16歳でオーストリア皇妃となりました。ホーフブルク王宮の脇にあるアウグスティーナ教会で厳粛な婚礼のミサが行われた日の夜、宮廷では若いロイヤル・カップルの誕生を祝う大舞踏会が開かれました。

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(ウィーン国立歌劇場:世界三大歌劇場の一つ。
冬の舞踏会シーズンに開かれる『オペラ座舞踏会』も有名)

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ホーフブルク王宮のミヒャエル門:
右手に皇帝夫妻の居室の『カイザーアパートメント』がある。
一部は『シシィ博物館』として公開)


バイエルンの自然の中で伸び伸びと育ち、まだ幼さも残る感受性の強いシシィは、ウィーンに到着し市民から盛大な祝福を受けた時から、現実の重圧に打ちのめされそうだったことでしょう。

翌日から始まった宮廷生活で、厳しい姑(ゾフィー大公妃)による束縛といきなり絶え間のない衆目にさらされる生活になったことからシシィは心身のバランスを崩してしまいました。
閉鎖的な宮廷生活に絶望したシシィは、一人瞑想や詩作の世界に没頭し、夫や子供たちをウィーンに残したまま逃避の旅に救いを求める生活になったといわれています。シシィが
ハンガリー王妃となってからは、ウィーンの王宮よりもブダペストの滞在が多く、ハンガリー王妃の公務として貧しい人々の慰問にも熱心だったシシィの人気は今でも衰えていません。

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(『美術史美術館』前の広場には”国母”と称されたマリア・テレジアの像)
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(シェーンブルン宮殿で、若い2人は新婚生活を送った)

夫であるフランツ・ヨーゼフとの仲は悪くなかったので結婚の翌年には長女ゾフィーが生まれましたが、味方をしてくれるはずの夫は皇帝の職務に没頭し、シシィが姑に従うことを望むだけ。生まれたばかりの子供の養育は姑の手に奪われてしまいました

翌年生まれた次女ギーゼラもまたまた姑に取り上げられ、授乳すら許されなかったシシィですが、皇帝をお忍びの遠出に連れ出して子供たちに会う許可を得ることに成功。しかし、嫁姑の対立が激しさを増す中で、ようやく姑から取り戻した幼い二人の娘を連れ出したブダペストに滞在中、姉妹そろって病気になり、長女が夭折するという悲劇に見舞われました。

“若い未経験な母親に任せるわけには行かない”という姑の大義名分が的中したともいえ、2年後に生まれた皇位継承者となる長男ルドルフは有無をいわさずシシィの手から取り上げられてしまいました。傷心のシシィの心はすさみ、常軌を逸した運動やダイエットに励むようになりました

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(王宮庭園内のモーツァルト像)

王宮でのシシィの楽しみは、姑の監視の目を盗んでお忍びでウィーンの街を散歩し、買い物をしたり、カフェでスイーツを食べることでした。厳しいダイエットによるストイックな日々が続くほど、甘いものへの渇望が強かったのかシシィは珍しいスイーツを求めてカフェめぐりをしていたようです

シシィ御用達のカフェなどについては、当時の領収書類が「オーストリア国立古文書館」保管されているので、詳しく知ることができます。皇妃のプライベートな生活や嗜好品を知ることができる歴史的な資料が2度の戦火を潜り抜けてきたことには驚きますが、死後100年以上経ってもプライバシーが人々の視線に晒されるのはちょっと気の毒な気もします。

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(トルテの種類の多さではウィーン随一の『デーメル』
シシィはハプスブルク家の居城に近い店でコーヒーとスイーツを楽しむだけでなく、『デーメル』を通じて取り寄せた輸入チョコレートやお菓子なども届けさせている。『デーメル』のスミレのシャーベットやスミレの砂糖菓子もシシィのお気に入りだった)


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(「ザッハー・トルテ」の元祖、『ホテル・ザッハー』:
シシィも「ザッハー・トルテ」を好んだが、果物のマジパン類も購入している。)

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(ウィーンの目抜き通りにある『カフェ・ゲルストナー』
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(“スミレを愛し、スミレの香りを楽しんだ”シシィの肖像がパッケージに使われた「スミレの砂糖漬け」。かなりのチョコレート好きだったシシィは『ゲルストナー』のスミレのチョコレート菓子には目がなかったという。『デーメル』よりもさらに美味なスミレのシャーベットも宮廷に届けられた)

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(焼き菓子:シシィはグラーツから取り寄せて食べていた)

<ウィーンで女性に人気のスイーツ>

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(甘さ控えめで人気の『オーバーラー』のトルテ
シシィは、宮廷の菓子部門のただ一人の女性マイスターが作る、低脂肪、低タンパク、低糖のスイーツを好んだという。
『オーバーラー』は、もともとは糖尿病患者向けの菓子として作った菓子が人気だが、日本では甘さ控えめのお菓子は珍しくない?)

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(女性に人気の『ショコラティエ・ケーニッヒ』:
『デーメル』の職人が独立。店内で食べられるフルーツのチョコレートフォンデュは絶品。
シェーンブルン宮殿の一角にある動物園にいる仲良しパンダ・カップル「フランツ」と「シシィ」にちなんだチョコレート)








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近頃気になる人物・・・『皇妃エリザベート』に惹かれて”二都物語”(ブダペスト) [お気に入り]

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(絵葉書:28歳の『皇妃エリザベート』の肖像画
写真の時代になってもエリザベートといえばこの肖像画が思い浮かぶ)
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(絵葉書:ブダペスト。
中央・上は薄暮のドナウ川に架かるエルジェーベト橋

ヨーロッパに絶大な勢力を誇ったハプスブルク家の2大美女のひとり、“悲劇の王妃”マリー・アントワネットについては以前から関心があったのですが、『皇妃エリザベート(愛称シシィ)』については、2年前の中欧旅行以前は“歴史上の人物として名前は聞いたことがある”程度でした。

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(絵葉書:ハンガリー王妃戴冠時のエルジェーベトの衣装は、
ミュージカル「エリザベート」のチラシのイメージ写真にも)

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人とも宝塚ファンにとってはおなじみのヒロインですが、日本人にとってそれほど認知度が高いとは思えなかった『皇妃エリザベート』を取り上げたミュージカルが、なぜ何度も繰り返し再演されるのか?
以前の私には人気の秘密がよくわかりませんでしたが、中欧旅行から帰国したあと、色々な資料を調べたり、ミュージカルを見たり、彼女の生涯のドラマを詳しく知るようになった今では自分自身がすっかりエリザベートのファンになってしまいました。

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(ブダの丘にある王宮)
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(ブダ側からドナウ越しにペスト側の国会議事堂が見える)

2007
年秋、私と娘が参加した中欧3カ国旅行のスタート地点は、“ドナウの真珠とよばれる千年の都”ハンガリーのブダペスト
オーストリア=ハンガリー二重帝国の成立によってハンガリー王妃となったエリザベートが、こよなく愛しウィーンの王宮よりも長く滞在したというブダペストは、王宮や教会などの歴史的建造物が立ち並ぶ美しい町でした。

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(漁夫の砦)

私たちが最初に見学した「マーチャーシュ教会」は、ドナウ川をはさむペスト側が一望にできる「漁夫の砦」の前にあります。

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マーチャーシュ教会:白いレースをまとった美しい外観は工事中)
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(ハンガリーで最も美しい黄金に輝く主祭壇
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(キリスト教とイスラム、そしてハンガリーの芸術がミックス)

この教会は、ロマネスク様式で建てられたものが14世紀にゴシック様式に改築、16世紀にはトルコ軍襲来によって教会はイスラム寺院となってしまいました。その後、18世紀にバロック様式のキリスト教会に修復されました。

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(聖遺物室:ハンガリー王冠と笏杖のレプリカの展示。
戴冠式に着用した衣装も。


1867年6月8日、この「マーチャーシュ教会」で盛大な戴冠式が行われ、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフはハンガリー国王となり、エリザベート皇妃もハンガリー王妃に即位したのでした。
この日、フランツ・リストが作曲した戴冠ミサ曲がリスト自身の指揮によって演奏されたそうですが、バイエルン公女だったエリザベートは16歳にしてオーストリア皇妃となり、30歳にしてハンガリー王妃となったわけです。

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(エルジェーベト王妃の像)

ハンガリー独立には、ハンガリー民族の開放的で情熱的な気質に深く傾倒していたエリザベートの絶大な尽力があったといわれており、戴冠式を終えて教会の外に出たエリザベートは、“ハンガリーの永遠の恋人、エルジェーベト万歳!!”と叫ぶ民衆の中、絵巻のような戴冠式のパレードを行ったといわれています。

マーチャシュ教会は、フランツ・ヨーゼフがゴシック様式に戻すように命じたときに取り入れられたハンガリー風装飾芸術の壁や柱の細密な模様が独特の雰囲気を醸し出していました。

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(『ゲッレールト温泉』の広々としたロビー)

ブダペストは温泉の町としても有名で、私たちが宿泊したホテルにも温泉プールがありました。
ゲッレールトの丘のふもとにある温泉の中で最も有名な『ホテル・ゲッレールト』はアール・ヌーヴォー様式の優雅な温泉プールがあります。私と娘も日本から水着持参でハンガリーを代表する温泉体験を楽しみました。

ドナウ川にかかるエルジェーベト橋のたもとにはエルジェーベト王妃の銅像がありますが、トルコ人によって建設されたルダシュ温泉も有名です。(風呂は男性専用でプールは男女共用)。

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(英雄広場)
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(ハンガリー建国1000年を祝って建設された『ブダペスト国立美術館』。
民族の誇りが築いた美の館には西洋絵画の傑作が揃う)

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ジェルボー』は、ベスト側にある150年の伝統を誇るお菓子の老舗でシシィも通っていたブダペスト一の高級カフェ)

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(『ジェルボー』のチョコレート)

過酷なダイエットに励みながらも大のスイーツ好きだった皇妃エリザベートもこのチョコレートを食べたのでしょうか。





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銀座・吉水で、標高1300mの「八ヶ岳農場」直送品のマルシェ [お気に入り]

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(素晴らしい自然環境に恵まれた「八ヶ岳農場」)
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(銀座・吉水前で産直マルシェ開催)

日本の食糧自給率を高めて、私たちの「食の安全性」を守るためには若者たちの力が欠かせません。
信州・原村にある八ヶ岳中央農業実践大学校には、明日の農業を担う夢を持った若者たちがたくさん学んでいますが、その広大なキャンパス内にある「八ヶ岳農場」で学生さんたちが作った野菜や乳製品を東京・銀座のマルシェで入手してきました。

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(野菜や乳製品のほか、季節の「ヴィオラ」鉢も)
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(売り子は、小林節子さんと吉水の女将さん)


原村在住のフリーアナウンサー・小林節子さんは「八ヶ岳農場」のおいしい食べものに魅せられて東京から移住し、原村を訪ねてくる友人・知人を自慢の(?)農場に案内し、ついには「八ヶ岳農場を応援する会」の会長となって「八ヶ岳農場」のPRを買って出ました。そんな節子さんの話をきいたお宿「吉水」の女将で大学先輩の誼美さんが、銀座・吉水で一日マルシェを開いてくれることになりました。

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(お宿 銀座・吉水)

節子さんが、標高1300mの「八ヶ岳農場」から自ら運転するクルマに積んできた乳製品や、野菜、卵、ヴィオラの鉢などの商品を並べての店開きです。吉水は銀座のど真ん中にある外人客にも人気の小さな宿ですが、街行く人は玄関横に突然出現した産直マルシェに驚いた様子。

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(「八ヶ岳農場」のチーズは男性にも人気)

私は、節子さんが主宰する「リングリンク・ホール」のイベントスタッフとして原村に行ったときに、「八ヶ岳農場」にも出向きましたが、八ヶ岳連邦を望む雄大な大自然と澄み切った空気の中で、ストレス知らずの素晴らしい環境の牛さんたちは本当に幸せそうでした。マルシェでは、その牛さんたちの生乳から作ったヨーグルトやアイスクリーム、そしてチーズが並びました。チーズは種類も豊富ですし、通りがかりの男性の方もポケットに入れて持ち帰れる手軽さで売れ行き好調でした。

ヨーグルトやアイスクリームの購入者は、吉水店内で食べることができるようになっていましたが、実は、吉水は完全予約制で“安心安全を当たり前とした食材や調味料を使った和風家庭料理”が食べられる隠れ処的レストランもやっているのです。(夕食時間帯のみ営業)
マルシェの売り子は、節子さんと女将の2人。節子さんの友人・知人も応援に駆けつけましたが、何も知らずに買い物をした後で、テレビに出ていた小林節子さんとわかってびっくりした方もいました。


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(「ソロモン流」の取材)

この日は、5月10
日放送予定のテレビ東京「ソロモン流」に取り上げられる誼美さんへの取材があり、マルシェの風景などの撮影もありました

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(ルッコラと二十日大根が入ったパスタと
卵かけご飯:生卵のおいしさにびっくり)

昼休みの人通りが少なくなったところで、私も皆さんと一緒におしゃべりしながら2階の食堂でお昼ご飯をいただきました。
ここで食事するのは、以前ランチ営業をしていた頃訪れて以来ですが、「八ヶ岳農場」直送の卵と特別に吟味されたお醤油で食べた「3分搗き米の卵かけご飯」が絶品でした。生卵は、独特のにおいと食感が苦手なので普段は食べないのですが、この卵は新鮮でにおいが全く気になりませんでした。

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(信州・原村の「八ヶ岳農場」直売所
:新鮮な卵も色々あります)
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(アイスクリームはギフトにも人気)


食後には、マルシェで販売していたバニラアイスクリームを食べましたが、こちらもミルクリッチで素朴な味。アイスクリームは、「八ヶ岳農場」の一番人気商品です。

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さて、マルシェで私が購入した商品は、チーズ、ヨーグルト、ほうれん草、二十日大根、水菜ですが、ほうれん草が特においしく、1袋しか買わなかったことが悔やまれます。
5月30日に、リングリンク・ホール恒例の「藤村俊介 チェロ演奏会」に行く予定なのでそのときに、ほうれん草を売っていたら忘れずに買わなければ・・・

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(生乳100%のプレーンヨーグルトはお腹にやさしいマイルドなタイプ)
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(私のイチオシは、「牧童の夕げ」
:厚切りのチーズを焼いて食べるとビールやワインにぴったり)



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