近頃気になる人物・・・『皇妃エリザベート』に惹かれて”二都物語”(ブダペスト) [お気に入り]
(絵葉書:28歳の『皇妃エリザベート』の肖像画。
写真の時代になってもエリザベートといえばこの肖像画が思い浮かぶ)
(絵葉書:ブダペスト。
中央・上は薄暮のドナウ川に架かるエルジェーベト橋)
ヨーロッパに絶大な勢力を誇ったハプスブルク家の2大美女のひとり、“悲劇の王妃”マリー・アントワネットについては以前から関心があったのですが、『皇妃エリザベート(愛称シシィ)』については、2年前の中欧旅行以前は“歴史上の人物として名前は聞いたことがある”程度でした。
(絵葉書:ハンガリー王妃戴冠時のエルジェーベトの衣装は、
ミュージカル「エリザベート」のチラシのイメージ写真にも)
2人とも宝塚ファンにとってはおなじみのヒロインですが、日本人にとってそれほど認知度が高いとは思えなかった『皇妃エリザベート』を取り上げたミュージカルが、なぜ何度も繰り返し再演されるのか?
以前の私には人気の秘密がよくわかりませんでしたが、中欧旅行から帰国したあと、色々な資料を調べたり、ミュージカルを見たり、彼女の生涯のドラマを詳しく知るようになった今では自分自身がすっかりエリザベートのファンになってしまいました。
(ブダの丘にある王宮)
(ブダ側からドナウ越しにペスト側の国会議事堂が見える)
2007年秋、私と娘が参加した中欧3カ国旅行のスタート地点は、“ドナウの真珠とよばれる千年の都”ハンガリーのブダペスト。
オーストリア=ハンガリー二重帝国の成立によってハンガリー王妃となったエリザベートが、こよなく愛しウィーンの王宮よりも長く滞在したというブダペストは、王宮や教会などの歴史的建造物が立ち並ぶ美しい町でした。
(漁夫の砦)
私たちが最初に見学した「マーチャーシュ教会」は、ドナウ川をはさむペスト側が一望にできる「漁夫の砦」の前にあります。
(マーチャーシュ教会:白いレースをまとった美しい外観は工事中)
(ハンガリーで最も美しい黄金に輝く主祭壇)
(キリスト教とイスラム、そしてハンガリーの芸術がミックス)
この教会は、ロマネスク様式で建てられたものが14世紀にゴシック様式に改築、16世紀にはトルコ軍襲来によって教会はイスラム寺院となってしまいました。その後、18世紀にバロック様式のキリスト教会に修復されました。
(聖遺物室:ハンガリー王冠と笏杖のレプリカの展示。
戴冠式に着用した衣装も。)
1867年6月8日、この「マーチャーシュ教会」で盛大な戴冠式が行われ、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフはハンガリー国王となり、エリザベート皇妃もハンガリー王妃に即位したのでした。
この日、フランツ・リストが作曲した戴冠ミサ曲がリスト自身の指揮によって演奏されたそうですが、バイエルン公女だったエリザベートは16歳にしてオーストリア皇妃となり、30歳にしてハンガリー王妃となったわけです。
(エルジェーベト王妃の像)
ハンガリー独立には、ハンガリー民族の開放的で情熱的な気質に深く傾倒していたエリザベートの絶大な尽力があったといわれており、戴冠式を終えて教会の外に出たエリザベートは、“ハンガリーの永遠の恋人、エルジェーベト万歳!!”と叫ぶ民衆の中、絵巻のような戴冠式のパレードを行ったといわれています。
マーチャシュ教会は、フランツ・ヨーゼフがゴシック様式に戻すように命じたときに取り入れられたハンガリー風装飾芸術の壁や柱の細密な模様が独特の雰囲気を醸し出していました。
(『ゲッレールト温泉』の広々としたロビー)
ブダペストは温泉の町としても有名で、私たちが宿泊したホテルにも温泉プールがありました。
ゲッレールトの丘のふもとにある温泉の中で最も有名な『ホテル・ゲッレールト』はアール・ヌーヴォー様式の優雅な温泉プールがあります。私と娘も日本から水着持参でハンガリーを代表する温泉体験を楽しみました。
ドナウ川にかかるエルジェーベト橋のたもとにはエルジェーベト王妃の銅像がありますが、トルコ人によって建設されたルダシュ温泉も有名です。(風呂は男性専用でプールは男女共用)。
(英雄広場)
(ハンガリー建国1000年を祝って建設された『ブダペスト国立美術館』。
民族の誇りが築いた美の館には西洋絵画の傑作が揃う)
(『ジェルボー』は、ベスト側にある150年の伝統を誇るお菓子の老舗でシシィも通っていたブダペスト一の高級カフェ)
(『ジェルボー』のチョコレート)
過酷なダイエットに励みながらも大のスイーツ好きだった皇妃エリザベートもこのチョコレートを食べたのでしょうか。
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