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サッカーW杯、オランダを破って優勝したスペインとベラスケスの名画 [サッカー]



TVのサッカー中継にどっぷり浸かり、連夜の寝不足で体力を消耗しながらも至福の時間を過ごした1カ月が終わってしまいました。

南アの治安問題や競技場へのアクセス、公式試合球や審判の判定などピッチ内外での問題が多々ありましたが、大きな混乱や事件もなく、日本代表がベスト16となり、私のお気に入りのスペインが優勝ということで個人的には結果オーライのW杯でした。

前日本代表監督のオシム氏がスカパー!のコメンテーターとして主要試合の中継中にリアルタイムで語る素直な感想を聞くのが私は楽しみでした。日本人の特性を活かしたチームを作り上げるという道半ばでチームを離れたオシム氏の愛情にあふれる辛口コメントをきくと、あのままオシム氏が監督を続けていたらどんなチームになっていたのか感慨深いものがあります。

私のお気に入りのスペインが2008年に欧州王者となったときから、W杯南ア大会優勝を確信していましたが、黒星スタートのグループリーグでは、勝利してもオシム氏が怒りのコメントを口に出さずにはいられないほど酷い試合内容。
スペインはエースの
F.トーレスが怪我上がりでゴールを決めきれず、決勝トーナメントになっても得点は相変わらずビジャ頼み。通算5得点のビジャもオシム氏からはエゴイストと言われるような強引なプレーが目立ちました。
7
試合合計で8得点・2失点という数字からもわかるように多彩で華麗な攻撃の印象はなくゴールをこじ開けるのに苦しみながら堅い守備で勝ち取った栄冠です。

さて、決勝戦の試合後、自分たちのスタイルを忍耐強く貫き通して成功したスペインのデルボスケ監督と、リアルに徹して泥臭くスペイン対策を実行しながらも成功できなかったオランダのファン・マルバイク監督の表情は対照的でした。

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(「ワールドサッカーダイジェスト」より)

優勝直後もいつものように穏やかな表情でインタビューに答えるデルボスケ監督と、あと一歩で優勝できなかった悔しさを抑えられなかったのか審判批判を口にだし、表彰式でオランダ皇太子から首にかけてもらったばかりの準優勝メダルをすぐに首から外してしまったファン・マルバイク監督。

前任のアラゴネス監督の采配が目立ったEURO2008と比べると、デルボスケ監督は目立たないようでしっかり選手の心を掌握するタイプなのでしょうか。

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(「週刊 世界の美術館」講談社より)

日曜日の朝、私はテレビでベラスケスの「ブレダの開城(長槍)」という作品を偶然見た時、スペイン優勝の予知夢のような気がしました。

プラド美術館所蔵のこの作品は、ベラスケスの作品の中で最大とされる歴史画ですが、1625年、スペイン軍がネーデルランドの都市ブレダを陥落させ、敗軍の将ナッサウがスペイン軍司令官に、降伏の証として城門の鍵を渡す情景を描いています。

ベラスケスが社会的弱者も対等の目線で描く画家であったことはよく知られていますが、この作品も、敗者を見下すのではなく、いたわるような表情のスペイン将軍からは騎士道精神の寛容さと高潔さが感じられます

過去に銀河系といわれるレアル・マドリードを率いて優勝経験を持つデルボスケ監督に騎士道精神を見たような気がしました


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