『のだめカンタービレ効果』で『クラシック回帰』・・・サントリーホールで『千秋さま』に会いたい [ミュージック・ライフ]
- アーティスト: モーツァルト,ショパン,梅田俊明,のだめオーケストラ,小山清,沼光絵理佳,三輪郁,野原みどり,池田昭子
- 出版社/メーカー: ERJ(SME)(M)
- 発売日: 2008/10/15
- メディア: CD
クラシック音楽界をテーマにした「のだめカンタービレ」は、単行本の累計発行部数が3000万部に迫ろうという人気コミックで、テレビドラマ&アニメ化され、「のだめ・・・」をタイトルにしたCDやDVDも多数発売されています。さらには、ゲームソフトも発売され、若者など普段クラシック音楽にあまり接しない人達に『クラシック回帰』現象をもたらしたと言われています。
★ウイーンを舞台に「のだめカンタービレ」が映画化される★
(ウイーン国立歌劇場とモーツァルトの銅像)
(モーツァルトが結婚式を挙げたシュテファン大聖堂とパイプオルガン)
原作コミックは、まだ雑誌連載中ですが、物語の終章の映画化ということで、音楽の都・ウイーンを舞台に撮影し、年末から来年にかけて公開予定という『のだめマニア』にはうれしいニュースもあります。
私は原作コミックを読んだことがなく、2006年秋にオンエアされたテレビドラマからのファンですが、深夜枠で放送されたアニメ版のテレビも見たし、DS版のゲームソフトも買いました。
- アーティスト: プラハ放送交響楽団,のだめオーケストラ,エレット(パヴェル),日本フィルハーモニー交響楽団,三輪郁,野原みどり,茂木大輔,若林顕,沼光絵理佳,上野真
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 2007/12/19
- メディア: CD
「のだめカンタービレ」の魅力は、若き才能あふれる登場人物たちのユニークなキャラクター設定にあると思います。ピアニストをめざす主人公・野田恵は天才肌ですが、かなりエキセントリックな女の子。もうひとりの主人公で指揮者への道を歩む千秋真一も魅力あふれるイケメン青年。そしてテレビドラマのサウンドトラックのために新たに結成された「のだめオーケストラ」という存在も欠かせません。
ドラマの中で流れた「のだめオーケストラ」の演奏をもっと聴きたくなって、久々にクラシック音楽のCDを色々買いましたが、ゲーム版では、自分が指揮者になりきって演奏できるのが楽しくてかなりはまってしましました。
子供の頃、ヴァイオリンを習っていたので楽器を演奏する楽しさはわかるのですが、指揮者の役割を自分がやるものとして考えたことはありませんでした。このゲームでは、同じ曲目の演奏でも指揮者によって演奏のニュアンスが変化することを実感できるのが面白いです。
(カラヤン広場からみたサントリーホール)
(サントリーホールのバックステージ・ツアーは毎回抽選になる)
先日、日本初のコンサート専用ホールとして作られた「サントリーホール」のバックステージ・ツアーに参加し、ふだん一般人が入れない場所などを見学する機会がありました。1986年10月開館のこのホールは、クラシック音楽の殿堂にふさわしくバブル期の名残で贅を尽くした施設ですが、2年前のリニューアルでバリアフリー対策も強化されていました。
(出演者控え室:左は指揮者など、右はピアニストなどが使う)
ステージのすぐ横に指揮者やメイン演奏者用の控え室がありますが、ゴージャスなホテル客室のような場所で高めた気分のままでステージに臨むことができる設計になっていました。
(サントリーホールでの演奏会:
NHKテレビ「N響アワー」より)
(パイプオルガンとステージ裏席:
見学したとき黒いシートがかかっていた席からは、指揮者の表情が真正面に見える)
サントリーホールには、約6000本のパイプを有する世界最大級のパイプオルガン(オーストリア・リーガ社製)がありますが、その前面の席は、いわゆる“ステージ裏席”。しかし、指揮者の顔がよく見えることから、人気指揮者の演奏会には高価格の席になることもあるそうです。
(演奏会の記念に貼られたステッカー)
(アーティストのサインボードには小澤征爾さんの名前も)
(若き才能、ピアニスト辻井伸行さんのサインを発見)
イケメン指揮者というと千秋真一を思い浮かべてしまいますが、テレビドラマ「のだめカンタービレ」(日本編)の最終回はサントリーホールで収録されたことを思い出しました。
実は、購入したCDに挿入されていた応募はがきが見事当選して、サントリーホールの入場券が届いたのですが、収録日が浦和レッズのリーグ初優勝が決まる日と重なってしまいました。愛するレッズの初優勝を見届けて仲間と祝杯をあげるか、“千秋さま”(玉木宏)の指揮による演奏会を堪能するか?
結局“レッズの優勝”を選んだ私は、翌年旅したプラハで、ドラマの欧州編に出てきた「スメタナホール」階下のカフェでお茶を飲みながらも、ホールを見落とし、今回ウイーンで玉木宏が実際に指揮をするシーンを撮影した「楽友協会」も遠景を見ただけというニアミス続き・・・
(N響の常任指揮者・音楽監督を務めたシャルル・デュトワ氏のかつての伴侶は世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチ。ピアノリサイタルの前に大げんかしてリサイタルが中止になったことも)
(N響演奏会の藤村俊介さん(前列右から2人目):
写真はNHKテレビ「N響アワー」より)
とはいえ、私に“クラシック音楽の楽しみ”を思い出させてくれたのは「のだめカンタービレ」であることは間違いありません。『千秋さま』とはなかなか巡り会えないのですが、2006年以降、チェンバロ・崎川晶子さん、チェロ・藤村俊介さん、チェレスタ・森ミドリさんという “音楽伝道師”的な素晴らしい演奏家の方々とお知り合いになることができました。
原村の小さなホールのボランティア・スタッフとして手伝ったり、以前よりもクラシック音楽の世界をより身近に感じるようになった私も、音楽を楽しむ喜びをもっと多くの方たちと分かち合いたいと思うようになりました。
原村の小さなホールから始まった小林節子さんの音楽イベントも、今年はスケールアップして大自然の光と風の中に飛び出して行きます。詳細はこちらをご覧ください。