SSブログ

この夏、上野で「フェルメール」の名画に会える・・・私的美術紀行 [私的美術紀行]

18763451876346
(「フェルメール展」の新聞記事)

本日付けの朝日新聞・別刷りでも告知されていますが、「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」が、8月2日(土)~12月24日(日)まで、上野の東京都美術館で開催されます。

西洋美術史上、最も才能あふれる画家と賞されながらわずか30数点の絵画しか現存しない17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメール
寡作なのに作品数があいまいで、贋作騒動、盗難劇、ナチスによる略奪の過去などミステリアスなエピソードが多く、謎のベールに包まれた画家でもあります。彼の代表作「真珠の耳飾りの少女」をモチーフにした映画に描かれた画家と、実際のフェルメールの素顔は果たして一致しているのでしょうか。

日本でもゴッホに並ぶ人気があるそうですが、その作品数の少なさ故に、全ての作品を見ようと欧米の美術館を訪ね歩く『至福の旅』が成立すると言われています。
私も実現できるか自信はありませんが、できることなら全点踏破を夢見ている一人です。

今回は、日本初公開4点を含む7点が出展されるので、大変楽しみですが、よほどの幸運に恵まれなければ鑑賞できないプライベート・レクション(個人蔵)の絵も1点含まれています。
フェルメールの作品を36点とすると、そのうち、オランダ・ドイツなどヨーロッパ諸国に22点、アメリカに12点、その他(個人像、盗難で所在不明)2点という分布になっています。フェルメールの母国オランダの7点を上回る12点をアメリカが保持しているのは、さすが経済大国の証しですね。

さて、『私のフェルメールの旅』は、20009月、ニューヨークのメトロポリタン美術館から始まりました。ここには、今回出展される「リュートを調弦する女」など5点が所蔵されています。
翌年(2001年)9月は、ロンドンとパリに行ったのですが、ロンドンのナショナル・ギャラリーで思わぬ事態発生。2点あるはずの作品の場所には小さな写真と別の場所で展示中のお知らせカードが貼ってあったのです。別の場所とは、別館で開催中の「フェルメール展」。他の作品もまとめて鑑賞できる好機と思ったのもつかの間、本日入場できるチケットは完売と判明しました。英国は他の美術館にも作品があるので、次の機会に再チャレンジです。
次の目的地、パリのルーブル美術館では、無事に2点を鑑賞することができました。

18763471876348
(ニューヨーク「フリック・コレクション」)

3年目(2002年)7月、再びのニューヨークですが、今回はこじんまりしているけれど珠玉の名画コレクションで知られている「フリック・コレクション」という美術館が目的地。マンハッタンのセントラル・パークにほど近い閑静な高級住宅街にある大富豪の邸宅美術館はニューヨークの穴場ともいえるオススメのスポットです。
しかし、ここでもまた予想外のできごと。フェルメールの展示室に2点あったのですが、そのうち1点がガイドブックとして持参していた「世界の美術館」という週刊分冊に出ている作品と違うのです。
このコレクションは、3点のフェルメールを所持しているので、展示場所を変更したのか修復中だったのでしょうか。
美術館によっては、常設作品でも展示場所がしばしば変更されますし、修復作業中はバックヤードに移動してしまうので、お目当ての作品に会えないことはたびたびあるのです。

1876350
(「絵画芸術」)

私のフェルメールの旅』は旅行の方面の関係で、しばらくは日本の企画展にフェルメールの作品が貸し出される機会に鑑賞するのみでしたが、昨年秋の中欧旅行で、ウイーン美術史美術館に行きました。
この美術館にフェルメールの作品は1点のみですが、その「絵画芸術」という有名な作品は、一時期ヒトラーの美術コレクションにもなっていたそうです。
今回上野の「フェルメール展」で再会出来ることになりましたが、この夏以降、ウイーン美術史美術館の展示場所には長期間不在となるわけです。

先の「フリック・コレクション」は、作品を貸し出さない美術館なので、其処に行きさえすれば会える確率は高いのですが、海外に長期貸し出しされることもあるので、名画の追っかけはなかなか一筋縄ではいきません。
フェルメールの著名な作品が揃っている、オランダとドイツは、どうせならゴッホの作品鑑賞もあわせて企画したいので、すぐに実現しそうもありません。

私は、自分なりのテーマをパッケージツアー利用の海外旅行に盛り込むことが多いので、実現まで時間はかかりますが、まだやり残しているコトがあると思えば単調になりがちなリタイア生活に楽しい目標が出来るのではないでしょうか。
フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版) (集英社新書ヴィジュアル版)

フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版) (集英社新書ヴィジュアル版)

  • 作者: 朽木 ゆり子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/09/15
  • メディア: 新書


フェルメール展を鑑賞する前に、朽木ゆり子さんの「フェルメール全点踏破の旅」読んでおくと、作品の見所だけでなく、来歴や所蔵美術館についての情報もわかるので興味が倍増すると思います。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。