HISAYA・・・佐藤久成さんのヴァイオリン演奏、一度聴いて虜になってみよう [私的音楽紀行]
前回のブログでも書きましたが、天才・奇才ともいわれるHISAYAさんの個性あふれるヴァイオリン演奏の魔力にはまってしまった私のミュージックライフは著しく活性化し、まさにHISAYAさんの追っかけ状態・・・
4月2日の武蔵五日市のコンサートでは、ピアノ伴奏のアルバート・ロト氏と共に紡ぎだされる艶やかな音色に魅了され、自宅ではこれまでに購入した4枚のCDがフル回転。
スマホに入れた音源をイヤホンで聴くよりも格段に音質が良くなるというBruetooth対応のSONY製ワイアレス・ポータブルスピーカーがようやく陽の目を見ました。
私は、学生時代から勉強や自宅で作業をしながらレコード・CDを聴きたい“ながら族”(死語?)だったので、音楽だけに集中して聴くということはなかなかできません。
他のCDには“知られざる名曲”の小品も収録されていますが、何度も聴くうちに最初は耳慣れなかった旋律がお気に入りの1曲になってきました。
HISAYA 魔界のヴァイオリン ~ HISAYA SATO , Violin / YASUKO TOBA , Piano
- アーティスト: ベートーヴェン,ブラームス,ファリャ,マリー,ドルドラ,クライスラー,マスネ,モンティ,ショパン,佐藤久成 (ヴァイオリン),鳥羽泰子 (ピアノ)
- 出版社/メーカー: SAKURA
- 発売日: 2013/03/30
- メディア: CD
今私の手元にあるアルバムのうち、2枚は宇野功芳企画と銘打たれていますが、
もし、My First HISAYAを買うならば、
第一弾の♪♪魔界のヴァイオリン♪♪をおすすめします。
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ「春」とクラシックマニアでなくても耳馴染みのある小品の名曲が収録されており、自分が今まで聴いたことのある演奏との違いを感じやすいと思います。
- アーティスト: 佐藤久成,シューベルト,ドヴォルザーク,プロコフィエフ,ラヴェル,ラフマニノフ,リスト,ルビンシテイン,エルガー,ゴセック,サラサーテ,シマノフスキ,ラフ,小田裕之
- 出版社/メーカー: SAKURA
- 発売日: 2015/02/28
- メディア: CD
そして、次の1枚は、宇野功芳企画第2弾♪♪魔界のヴァイオリンⅡ♪♪
その理由は、以下に引用する宇野氏のコメントにつきます。
“熱い久成に会いにゆく・・・第1弾はベートーヴェンの「春のソナタ」で始まったので、久成の魔界に入るのは小曲になってからだったが、今回は小品集なので、冒頭の「愛のあいさつ」から彼の世界に連れ去られてしまう。
その世界のなんと熱いことだろう!久成はいつも熱い!
でもそれは聴衆を前にしたライブのときで、
(中略)
今回はちがう。久成は燃えに燃えている。彼のありあまる感情が全身の血流にあふれ出ている。
(後略)”
(当該CDの解説より)
晩年の宇野功芳氏が命がけで推奨したといわれるHISAYAさんのヴァイオリン演奏による『魔界』、まだ体験したことのない方はまずは、今回ご紹介したCDで試してみてはいかがですか。
さて、しばらくHISAYAさんの生演奏から遠ざかっていた私ですが、明日、5月11日の夜上野の東京文化会館小ホールで開催される「佐藤久成と仲間たち トリオ・コンサート」にお邪魔することになりました。
“今世紀ヴァイオリン界の絶滅危惧種的存在 HISAYA
実力派ソリストたちと共に織り成す、一期一会の世界!”
そこには、いかなる異次元空間が私を待ち受けているのでしょうか、、、
(追記)
森ミドリさんから、
日本橋三越のカルチャーサロンで、HISAYAさんの生演奏が聴ける
という耳寄りな情報が飛び込んできました。
5月27日(土)午後2時~3時半 に開催されるトークコンサート「花とミドリと音楽と」にヴァイオリニストの佐藤久成さんがゲスト出演されるそうです。
魔界のヴァイオリンHISAYA の世界にどっぷりはまる・・・ヴァイオリニスト・佐藤久成さん [私的音楽紀行]
2月初旬、森ミドリさんのメモリアル・バースデーのソロコンサートに伺いました。
音楽家で天来の妙音といわれるチェレスタの演奏で知られる森ミドリさんとは、原村の小さなホールでの演奏会がご縁で親しくさせていただき、東京近辺のコンサートにはたびたびお邪魔しています。
このブログでも、以前何度かご紹介していますが、森ミドリさんがゲストとして招く多彩なジャンルの芸術家の方々との演奏や楽しいトークで私の知らない世界に誘ってくださるありがたいコンサートです。
今回は、珍しくソロコンサートで森ミドリさんのチェレスタとピアノをたっぷり聴けるはずというふれこみでしたが、友人と誘い合わせて出かけた汐留の小さなホールでは思いがけない出会いが待っていました。
第二部がスタートして間もなく「大きな荷物が届いたようです」というご案内と共に、ヴァイオリニストの佐藤久成さんがヴァイオリンを弾きながら現れました。
(ヴァイオリニスト・佐藤久成氏)
Phptoby佐藤久成ヴァイオリン・リサイタルチラシより
サプライズ・ゲストとして登場した佐藤久成さんは、森ミドリさんの「クリスマスなコンサート」(2016年12月)の共演者だったのですが、私はこの日が初めてでした。
森ミドリさんの軽妙なトークと共に次々と披露されるヴァイオリン演奏があまりにも衝撃的で、私はただただ演奏に耳を傾けていました。
小柄な身体から繰り出される音色は、森ミドリさんが「言葉に表せぬほどの、また、打ち震えるほどの魂の音色を、皆様に間近でお聴きいただければ、、、」と12月の案内状に記されていた通りでした。
特に、モンティ作曲の「チャールダーシュ」。
このハンガリー・ジプシー民族舞曲は、多くのファンに親しまれている名曲ですが、テンポが速く超絶技巧系のテクニックが求められる部分の“火花が散るような名人芸”(宇野功芳氏のCD解説より)は圧巻でした。
(Photo by 「わがまま歩き」)
なにより、この音楽にのって民族衣装の女性たちが長いスカートを翻して踊り狂う光景が目に浮かぶような日本人離れした演奏に惹きつけられました。
コンサート会場で数枚のCDが販売されていたのですが、私は子どものころから聴く機会が多かったベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」と共に「チャールダーシュ」などが収録されているアルバムを購入。
HISAYA 魔界のヴァイオリン ~ HISAYA SATO , Violin / YASUKO TOBA , Piano
- アーティスト: ベートーヴェン,ブラームス,ファリャ,マリー,ドルドラ,クライスラー,マスネ,モンティ,ショパン,佐藤久成 (ヴァイオリン),鳥羽泰子 (ピアノ)
- 出版社/メーカー: SAKURA
- 発売日: 2013/03/30
- メディア: CD
佐藤久成さんが奏でる「春のソナタ」は、これまで私が聴いたことのある「春のソナタ」とはまったく別物。個性的で変貌自在の演奏なので聴き手によって賛否両論あるかもしれませんが私は優等生的な演奏よりも“全身全霊をもって曲に立ち向かい、体当たりをしている”(宇野功芳氏のCD解説より)演奏に感動しました。
佐藤久成さんの公式サイト
http://www.hisayasato.com/
で情報取集し、彼の類まれな才能を見出し、自らCDを企画した音楽評論家宇野功芳氏(故人)が指揮するオーケストラと共演した「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲」が収録されているCDも購入。
こちらも個性満開のヴァイオリン演奏が堪能できるCDです。
先日、神保町の小さなブックカフェで開かれた演奏とトークのイベントに参加して3枚目のCDを購入し、懇親会で少しだけ直接お話もできました。
- アーティスト: 佐藤久成,シューベルト,ドヴォルザーク,プロコフィエフ,ラヴェル,ラフマニノフ,リスト,ルビンシテイン,エルガー,ゴセック,サラサーテ,シマノフスキ,ラフ,小田裕之
- 出版社/メーカー: SAKURA
- 発売日: 2015/02/28
- メディア: CD
スマホに入れた佐藤久成さんの演奏を、Bluetooth機能でスピーカーから流し、臨場感あふれる演奏を楽しむのがマイブーム。
一度聴いたら虜になる魔界のヴァイオリン演奏、どうやらますます深みにはまりそうです。
<お知らせ>
森ミドリさん作曲の混声合唱組曲「津和野」は、ウイーン少年合唱団の日本公演でも演奏されましたが、津和野にある安野光雅美術館で安野先生の詩に出合ったことがきっかけで誕生。
先日の森ミドリさんのバースデー・コンサートでは、合唱曲を佐藤久成さんがヴァイオリン演奏してくれましたが、3月19日(日)に、津和野の安野光雅美術館でお二人のお話とコンサートが予定されています。
”カタロニア人の誇りを胸に”・・・近頃気になる人物『ホセ・カレーラス』 [私的音楽紀行]
(世界三大テノールのひとり『ホセ・カレーラス』
Photo by CDジャケット)
先日、三大テノールのひとりであるホセ・カレーラスのインタビュー番組をみました。
インタビュアーは歌手の谷村新司だったのですが、二人がほぼ同世代の同業者であるということもあってホセもリラックスしたのか、彼の飾らない人柄や生き方・人生観などがよくわかり、若い頃の秘蔵映像も満載で見応えのある音楽番組でした。
テノール歌手として全盛時の40歳のときに急性白血病を患いながら奇跡の復活を遂げたホセ・カレーラスは、自分と同世代ということもあり以前から気になるアーチストだったのでCDも持っています。
番組中にも映像が出てきた『三大テノール世紀の競演』のCDを改めて聴き直すと、三者三様の持ち味がよくわかるように思います。
三大テノールのひとりルチアーノ・パパヴァロッティは既に亡くなり、3人の中では最年少のホセもオペラの舞台からは退いたようですが、年間10ヶ月は各地で演奏活動を行っているとか。
(バルセロナのシンボル『新大陸を指さす・コロンブスの塔』)
(バルセロナ出身ガウディの代表作:サグラダ・ファミリア)
(サグラダ・ファミリアのイメージに繋がった?
カタロニアの聖地モンセラット)
スペイン・バルセロナで生まれ育ったホセ・カレーラスは世界的テノール歌手として成功した今も故郷バルセロナに住み続けて居ます。
今回のインタビューでは、バルセロナという街をこよなく愛し、街だけでなくカタロニアにも愛着があるというホセの『カタロニア人というアイデンティティ』に対する熱い思いが率直に語られました。
(ガウディの「カサ・ミラ」)
(バルセロナ・ピカソ美術館の「ラスメニーナス)
(地中海のシーフード)
(Photo by NHKテレビ)
(FCバルセロナはカタロニア人の誇り)
“スペイン人であることを誇りに思うけれども自分のルーツはカタロニアであり、母国語はカタロニア語”とホセは言い、小さい頃母がよく唄ってくれたというカタロニアの子守歌を懐かしそうに唄ってくれました。
★ガウディのライバルだったドメネクが建築したカタロニア音楽堂★
ホセもこの音楽堂で素晴らしい歌声を響かせたのでしょうか。
ドメネクもカタロニア出身で、バルセロナ市内にたくさんのモデルニスモ建築物を遺しています。
(Photo by NHKテレビ)
バルセロナを中心とするカタロニア地方の人々は、スペインの他の地域の人々とは違う文化、伝統、意識を持っており、カタロニア人の気質は勤勉・質素であるといわれ一般的なスペイン人のイメージとかけ離れているといいます。サッカーを通しても感じていたことですが、昨年出かけた2度目のスペイン旅行でも実感しました。
スペインのサッカーは国内リーグもクラブチームも世界一なのに、代表となると予選は無敵艦隊でも本大会は万年優勝候補に甘んじていました。ようやく欧州王者(2008年EURO優勝)についで、世界王者(2010年W杯優勝)になれたのは、バルセロナを中心とする勢力と他の地域がバラバラでなくなったからといわれています。昨年のスペイン代表のメンバー構成やサッカースタイルを見ると、FCバルセロナが主力選手を多数輩出しているだけでなく戦術的にも代表チームの柱になりっていることがよく分かります。黄金期のFCバルセロナがスペイン代表を支配しているというわけです。
バルセロナのガイドさんによると、カタロニア人のアイデンティティを強める政策のひとつとしてカタロニア語による義務教育を行う学校が最近増えているそうですが、行き過ぎたことによる弊害もあるようです。バルセロナに住む在留邦人など外国人の家庭で子どもはカタロニア語による教育を受けても、親はスペイン語しか話せないため困っているという話もあるとか。
ところで今回のテレビ番組で、ホセ・カレーラスは英語によるインタビューでしたが、あえてスペイン語を避けたのでしょうか?
美空ひばりの歌ですが、作詞は秋元康。
- アーティスト: ワシリー=セデオイ,パイ,マイネ,リ・ジョウホ,サルハコス,バーギー,コロノヴィツ(クリスチャン),ベイトマン(ポール),キャメロン(ジョン),ウィーン交響楽団
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: CD
★★信州・原村のリングリンク・ホールでお馴染みのチェリスト・藤村俊介さんは、スペインにちなんだアルバムを出しています。
スペイン各地をモチーフにした曲をギターと共演したこのアルバムを聴いていると、またいつかスペインに旅したい気持ちが強くなります。
このアルバムには、カタロニア出身のガスパル・カサドの曲や同じくカタロニア出身の巨匠・パブロ・カザルスが、生前アンコールで演奏していた故郷カタロニアの民謡「鳥の歌」などが収録されています。