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『Kyrie』が奏でる「望郷のバラード」・・・原村の小さなホール裏方日記 [原村の小さなホール]

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(柴垣節子さん:Vn.と山田悦子さん:Sp.)
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(コンサートのプログラム:LIEBEはドイツ語で「愛」)

8月最終の土曜日、信州・原村の小さなホールで「2009 LIEBE 原村コンサート」が開催されました。毎年恒例の大学クラブ仲間の合宿と、「八ヶ岳農場音楽祭」実行委員の打ち合わせをかねて小林節子さんのところに滞在していた私も入場無料というコンサートを一緒に聴かせていただきました。

このコンサートは、主催者の柴垣節子さんが突然の心筋梗塞から生還してから10年目の今年原村在住のヴァイオリン製作者・番場順さんに依頼した楽器を入手できたので、感謝のコンサートを原村で開きたいという希望から実現したものです。
実は、番場順さんも2ヶ月前に大病で手術なさったばかりでしたが、ご自分の作品がどんな音色を奏でるのか気遣って、前日のリハーサルにも顔を見せておられました。

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(手術後かなりスリムになった番場順さんは、柴垣さんのヴァイオリンの製作過程を記録した写真集を作成)

自らもヴァイオリン演奏に長ける番場さんが楽器製作に使用したのは、フィレンツエのサン・ロレンツォ教会修道院の床板に使われていた350年前のもみの木材
名器ストラデヴァリウスなどももみの木が使われているそうです。)

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(「Kyrieは、ギリシャ語に由来する「主よ」という呼びかけ。
カトリックのミサでは、「あわれみの賛歌」としてもお馴染みですね)


Kyrieと名付けられた素晴らしい音色のヴァイオリンを演奏する柴垣さんと一緒にボランティアの演奏活動をされている山田悦子さん(ソプラノ)、ピアノ伴奏の方、3人の息のあった演奏と美しい歌声はまさに神に捧げるコンサートの趣でした。

望郷のバラード~ベストコレクション~

望郷のバラード~ベストコレクション~

  • アーティスト: 天満敦子,ポルムベスク,*ASTERISK,フォーレ,クライスラー,モンティ,サラサーテ,フォスター,プニャーニ,マスネ,バッハ
  • 出版社/メーカー: アート・ユニオン
  • 発売日: 2003/11/01
  • メディア: CD


柴垣さんが1曲目に演奏された「望郷のバラード」は、120年くらい前のルーマニア人作曲家による“東欧の哀愁”が感じられる名曲です。天満敦子さん演奏のCDを聴かれた方も多いと思いますが、柴垣さんは別の演奏者によってこの曲を知り、何とかして自分も演奏したいと思って苦労の末に楽譜を入手されたとのこと。

会場の方たちも一緒に「見上げてごらん夜の星を」など3曲を歌いましたが、この歌は小林節子さんの師匠である永六輔さんの作詞です。

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(演奏する二人の横に飾られたカラフルな野菜たち)

最後に番場さんの奥様でヴィオラ奏者の番場かおりさんがゲスト出演し、柴垣さんと一緒に2曲を演奏してくださいました。
まるで宝塚の男役のような雰囲気のかおりさんが颯爽と登場したとき、会場にオーラが漂う気配を感じました。かおりさんの演奏を聴くのは今回が初めてでしたが、ヴィオラはもちろん番場順さんの作品です。


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(2007年7月、小林慎一さん100歳の祝いでヴァイオリン演奏する番場順さん)
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(手彫りのだるまを贈られた小林慎一さんは、昨年1月天寿を全うしての大往生)
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(フィレンツェの教会の廃材で製作しただるま)

2年前、節子さんのお父様の100歳のお祝いに駆けつけた番場さんは、ヴァイオリンの材料で“番場さんの自画像?”といわれるお祝いのだるまを彫ってくださいましたが、手術後23キロもスマートになって持病の治療薬が不要になったとのこと。

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コンサートの後、直子さんご自慢の手料理がたくさん並ぶ私たちの夕食会に番場夫妻もゲスト参加。
私も調理を手伝ったのですが、いつもながら八ヶ岳の自然の恵みを受けた新鮮な素材をふんだんに使った料理は、術後で食事制限のある番場さんにも食べて頂くことができました。

この夜のコンサート会場に、手作りのカラフルな野菜たちを飾って下さったMさんは1ヶ月ほど前にご主人を心筋梗塞で亡くされたばかりでした。Mさんがご主人と丹精された畑で収穫したズッキーニのポタージュは絶品のお味でした。


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(順さんはヴィオラの調整のため訪れたかおりさんに一目惚れだったとか)

イケメンレーサーの父でもある順さんのお話ももちろん、演奏活動が忙しくふだんなかなかお会いできないかおりさんのお話もとても楽しく、忘れられない一夜となりました。

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(ロック少女だったというかおりさんの特製ヴァイオリンケース)

そういえば、リングリンク・ホールのボランティア・スタッフ仲間だったMM君の命を奪ったのも心筋梗塞でした。
前日の仲間内の夕食会でも“ここに居る”はずだった友のことが話題になりましたが、自分たちが今年も元気で一つ年を重ねて原村に集まれたことに改めて感謝した週末でした。






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もうすぐ開催!信州・原村「八ヶ岳農場音楽祭」、”先乗り”会場ガイド [原村の小さなホール]

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八ヶ岳音楽祭公式サイトはこちら

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以前お知らせした信州・原村在住の小林節子さんが中心となって地元の方々と一緒に作り上げるエコライブ「八ヶ岳農場音楽祭」の開催(9月13日)が間近に迫りました。

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月最後の週末、音楽祭の会場になる標高1300メートルの「八ヶ岳農場」に行ってきました
これまで何度か農場の直売所を利用している私ですが、会場予定地となっているグランドの方には行ったことがありませんでした。ということで、今回は先乗り現地ガイドです。

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(八ヶ岳中央農業実践大学校)
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(広大な敷地の「八ヶ岳農場」:
八ヶ岳連峰の眺望が素晴らしい)
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ミルク・ファームで作られたヨーグルトやアイスクリームは絶品

「八ヶ岳農場」は、信州・原村の「八ヶ岳中央農業実践大学校」のキャンパス内にあります。

八ヶ岳の壮大な眺望が開けている広大な敷地の農場には、野菜などを栽培する畑、養鶏場・牛舎・家畜の放牧場、花卉の温室、乳製品工場などがあります。

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学生たちが丹精した大学校産の野菜・花・乳製品、ハム・ソーセージやレトルトカレーなどの委託生産品、地元の特産品などを販売する直売所があります。


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天気の良い日には熱気球の体験搭乗もできる広い芝生広場は、夏休み中や週末などは元気に走り回る子供たちの賑やかな声が響きます。

高原の紫外線はかなり強いのでUV
対策は念入りに。薄曇りでも油断はできません。帽子は忘れずに持っていきましょう。(日傘は混み合う場所では危険です)

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標高1300メートルの高原は湿度が低く爽やかですが、汗をかかなくてもこまめに水分補給することをお忘れなく。
熱中症対策にはアイソトニック飲料や麦茶などがおすすめ。保冷水筒を携帯すると便利です。
飲料の自販機は、直売所近くの駐車場内にあるトイレ棟の隣にあります。バリアフリーのトイレはこの場所に。

12時開場予定なので早めに着いたらトイレやお買い物を先に済ませましょう。

冷蔵食品を持ち帰る場合、保冷袋・保冷剤が必要ですが、直売所で購入した商品を「クール宅急便」で発送してもらうと便利です。(土・日の午前中なら郵便局の臨時出張所も営業)

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鉢花の直売所もある花の温室の建物を右手に見ながら、音楽祭会場となる芝生のグランドをめざして歩きます。

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会場までは300メートルくらいの距離ですが、林の中の砂利道なのでスニーカーなどの歩きやすい履き物がベストです。

うっそうとした林の中の道を進むと、途中左手にトイレの建物がありました。

放牧場もありましたが、音楽祭当日は、牛さんたちに会えるかな?

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ようやくグランドに到着です。

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グランドの前には、たくさんの蛇口が並ぶ水場がありました。

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(グランド横にはキャンプ場のかまどなども)

広い芝生のグランドに特設ステージが設けられ、観客は芝生に座って加藤登紀子さんたちの歌声を聴くことになります。(足の不自由な方などのための席の用意もあると思います)

今回の「エコライブ」は、PAなどの電源を太陽光発電のクリーンエネルギーでまかなう予定です。
お弁当などを食べながら開演時間を待ちましょう。
音楽祭開催当日は、会場内の特設売店でも飲料など販売する予定。

今回の企画は“エコライブ”なので、お弁当など持ち込み飲食物のゴミは持ち帰りが原則です。

レジャーシートは野外フェスティバルの必需品ですが、小雨などに備えてビニールのカッパや帽子も持っていくと安心です。

標高1300メートルの高原をわたる風は爽やかですが、涼しすぎることもあります。薄手のストールや長袖のはおり物は紫外線対策にもなるので、持参することをおすすめします

この奥にはキャンプ場があるので、野菜洗い場やかまどなどの設備もあります。グランドの上にあるトイレは音楽祭当日は女性専用トイレになる予定。

音楽祭は13時開演、15時半までの2時間半の予定

八ヶ岳が生んだ新進アーティスト、“縄文の歌姫”ことシンガーソングライターの美咲さん、ネイティブアメリカンフルート奏者マーク・アキクサさんの演奏を楽しみましょう。

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時からは、「100万本のバラ」や「知床旅情」などでお馴染みの加藤登紀子さんのコンサートです。地元の小学校の児童たちが登紀子さんと一緒に歌う曲目も用意されているとのこと。

シャントゥーズ・トキコ~仏蘭西情歌~

シャントゥーズ・トキコ~仏蘭西情歌~

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2006/05/10
  • メディア: CD


大自然の中に響き渡る素晴らしい歌声に日頃のストレスも解消?

至福のひとときを過ごしたら、“飛ぶ鳥跡を残さず”の精神でゴミの持ち帰りにご協力ください。

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直売所の営業は17時半までですが、音楽祭終了時は混み合いますし、人気商品は品切れになることも。おみやげの購入を考えている方は、開演前にお買い物を。

午後のひととき、雄大な八ヶ岳連峰を眺めながら八ヶ岳農場の人気商品、アイスクリームを食べました。北海道に旅行して乾燥した空気のなかで食べるアイスクリームはおいしいとよく言いますが、信州・原村の八ヶ岳農場だって負けていませんね。


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農場の直売所は、とれたての新鮮な高原野菜が店頭に並ぶ7月から9月は朝8時半からオープン

標高が高い寒冷地にある農場は虫が発生しにくいので、無農薬のトマトなどもあります。
高原野菜は季節や天候により商品の種類や生産数が左右されますが、午後になると売り切れの商品もあるので、常連の方は午前中の早い時間帯に買い物するようです。

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月末の店頭には、トマト、ズッキーニ、カボチャがたくさん並んでいました。

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特にカボチャは種類も大きさも様々。10月下旬のハロウインの飾りカボチャに使う特大のものが格安で入手出来ると毎年大人気です

野菜類は、大学校産だけでなく、『いきいき農業塾』の生徒さんなど地元産のものも並んでいます。

”雄大な八ヶ岳連峰の眺望と森林浴を楽しみながら音楽のシャワーを浴び、澄んだ空気を思い切り吸う”という戸外で過ごす気持ち良さを味わえる一日になるといいですね。音楽祭が好天に恵まれることをお祈りしましょう。

音楽祭の会場となる原村の晴天率は日本一と聞いたことがありますが、今年の夏は原村も天候不順気味。
サッカーフリークの私は、雨でも雪でも予定通りスタジアムで応援しますが、心配性の私は、万々一の雨の心配をしてしまいます。
雨天決行ですが、会場が学校のキャンパスということは、体育館とかの屋内施設もあるから、いざというときは・・・なんて今から余計な心配しなくていいですね。

野外フェスを楽しむ準備をなさってのご来場を私も会場でお待ちしています。

チケットのお問い合わせは、
「八ヶ岳音楽祭実行委員会」事務局 TEL&FAX:0266-75-3727

会場へのアクセスなどは、公式サイトをご覧下さい。



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信州・原村『八ヶ岳農場』の大自然の中で、加藤登紀子さんの歌が聴ける! [原村の小さなホール]

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信州・原村・輪の舎:小林節子さんは3年前からここに定住)

信州・原村在住のフリーアナウンサー小林節子さんは、八ヶ岳山麓の雄大な大自然と澄んだ空気、それに八ヶ岳農場のおいしい食べ物に魅せられて、3年前、東京から原村に移り住みました。

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(八ヶ岳連峰を望む標高1300メートルの大自然)
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(美しい白樺の道を進むと・・・)
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(八ヶ岳中央農業実践大学校のキャンパスがある)
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(キャンパス内の『八ヶ岳農場』)

八ヶ岳の壮大な眺望、標高1300メートルに位置する農場の広々とした草原でのんびりと牧草を食む牛や羊、ヤギ、八ヶ岳中央農業実践大学校の学生たちが作った花やとれたての高原野菜、そしてミルクやアイスクリームなどの乳製品を節子さんはこよなく愛しています

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(銀座・吉水の女将と節子さん:右)
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(『八ヶ岳農場』から運んだヨーグルトや野菜。
特に生乳100%のヨーグルトは絶品です)

昨年から、『八ヶ岳農場を愛する会』の会長としての活動を始め、今年4
月には、『八ヶ岳農場』から自ら運んだ野菜や乳製品などを銀座吉水のマルシェで販売しました。

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(『八ヶ岳農場』の雄大な大自然の中で、)
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(「100万本のバラ」などでおなじみの歌手・加藤登紀子さんが歌ってくれます)
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(音楽祭には、リングリンク・ホールのイベントではおなじみの若いアーチストも参加します)

節子さん宅を訪れる人から「原村で一番好きな場所は?」と聞かれると、真っ先に『八ヶ岳農場』へ案内する節子さんが、9月にその農場でエコライブ「八ヶ岳農場音楽祭」を開催することになりました。

”『八ヶ岳農場』をもっと多くの人に知って欲しい”、”農場まで足を運んで欲しい”、そのためにも、”豊かな大地でクリーンエネルギーによる野外音楽コンサートを開きたい”という節子さんの夢の実現に向けて多くの方々が協力してくださることになりました。

出演アーチストは、八ヶ岳が生んだ新進アーチスト「美咲」(シンガーソングライター)、「マーク アキクサ」(ネイティブアメリカンフルート奏者)の若いふたりに加えて、最近は自然環境に関わる社会的活動もめざましい歌手の加藤登紀子さんの出演が決定しました。加藤登紀子さんは、夫である故・藤本敏夫さんが始めた千葉県・鴨川市の農事組合法人「鴨川自然王国」を拠点として若い世代や団塊の世代などとともに「農的生活」の研究実践も深めています。

『八ヶ岳農場』の特設ステージで、9月13日(日)午後1時から開催されるこのイベントに多くの皆様が来場してくださることを実行委員会のサポートメンバーとして心よりお願いいたします

入場料は2500円(当日3000円)、小学生以下は無料です。
詳細については、『八ヶ岳農場音楽祭の公式サイト』

http://www.ringlink.net/ecolive/

をご覧ください。

また、前売り入場券のお求め・ご予約の方法は以下のようになっています。

◆原村近辺にお住まいの方は、8月31日(月)まで以下の4カ所の取扱場所にてお求めいただくことができます。

八ヶ岳農場直売所(チケット売り場):
長野県諏訪郡原村 八ヶ岳中央農業実践大学校キャンパス内
         TEL:0266-74-2080

輪の舎(リングリンク):
長野県諏訪郡原村第二ペンションビレッジ内
         TEL:0266-75-3727

シマダヤ楽器店:茅野市
塚原2722
         
TEL:0266-72-2872

まるみつ百貨店(上諏訪駅前):
諏訪市諏訪1-7-20

         TEL:0266-52-4111(代)


◆お近くの郵便局から通常払込で現金をお送りください。
(電信払込扱いにすると手数料が割高になりますのでご注意ください)

窓口においてある「払込取扱票」(ブルーの文字のもの)により、


口座記号番号:00510-4-58734
加入者名:有限会社輪の舎

に枚数分の前売りチケット代金を送金してください。

恐縮ですが、払込料金120円(ATMでは80円)のご負担をお願いいたします。
(払込金額が3万円以下の場合の料金です)

「ご依頼人」(お名前、ご住所、電話番号)とお申し込み枚数分の代金合計金額をご記入ください。
→ご入金を確認次第、入場券を郵送いたします。


※上記公式サイトから、ご予約申し込み書つきのチラシがダウンロード出来ますが、
FAXまたはE-Mail
にてお申し込みの場合も、郵便局からの送金をお願いしておりますので、チケットご希望の方は、お近くの郵便局で「払込取扱票」のご利用をお願いいたします。

大変お手数をおかけ致しますが、手作りイベントのため若干のお時間をいただく場合がありますことを予めご了承ください。

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原村の小さなホール裏方日記:新緑に包まれた雨の原村で藤村俊介さんのチェロ演奏会 [原村の小さなホール]

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(信州・原村リングリンクホール)

信州・原村のリングリンク・ホールにとって今年初めての音楽イベント「藤村俊介チェロ演奏会」が先週末開催されました。

私が原村の小林節子さんのホールに初めて出かけたのは、2年前の藤村さんの演奏会。

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交響楽団次席チェリストを務める藤村俊介さんは、毎年新緑の季節に、ご家族とともに神奈川県から来てくださいます。小さなホールに響き渡る素晴らしいチェロの音色をアットホームな雰囲気で楽しめるこの演奏会は、“チェロ界のヨン様”とも言われる藤村さんの追っかけが毎回東京から駆けつける人気イベントです。

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(アプローチの花壇。満開のヴィオラがお出迎え)

ホールの音響を殊のほか気に入られた藤村さんは、毎年趣向を凝らしたプログラムを企画してくださいますが、当日まで詳しい曲目はわかりません。今回は2年ぶりに奥様のピアノ演奏との共演なのでとても楽しみでした。

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(”美しき5月の原村”)

当日は“雨模様で気温も低め”という天気予報。
しかし東京からの高速バスが山梨県に入る頃には雨があがり、今年初めて原村入りした私を清々しい5月の青空が迎えてくれました。

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(今年1月急逝した”営繕担当”MM君の遺作となってしまった薪小屋。
冬の間活躍するホールのストーブも本日は花台に)

ホールのボランティア・スタッフとして、スタッフとお客様のための料理担当助っ人は、神奈川県から応援に駆けつけた糸さんと私だけ。東京から持参した食材と節子さんに調達してもらった野菜などを使って私は早速キッチンで料理開始。昨年は「タイ料理の夕べ」をコンセプトにしたメニューにしたのですが、エスニックな香りのタイ式カレーは、藤村家の小さなお子さんたちにはちょっと辛過ぎました。その反省で今年は子供も食べられる我が家の定番お惣菜を作ることにしました。

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(奥様の楽譜に注目!)
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(リハーサル風景)

藤村さんご夫妻が到着しリハーサルが始まったので、私も料理の手を休めてホールを覗いてみました。
毎回のことですが、プロの演奏家が弾き慣れたグランドピアノとホールに備え付けのアップライトピアノは音響効果や譜面台が異なるのでお2人は位置決めなども念入りにチェック。今回ピアノの譜めくり役がいないので、奥様はちよっと心配そう。

長めにリハーサルの奥様をホールに残してリビングでひと休み中の藤村さんから、昨年秋
王子ホールで開催された演奏会の裏話などをお伺いしました。名手の演奏を間近で聴けるだけでなく、素顔に接することもできるのがボランティア・スタッフの楽しみのひとつです。


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(遠くの空は明るいのにホールは雨・・・
もしや藤村さんは雨男?)

昼間は青空も見えていたのに、夕方から雨が降り出してきました。どうやら今夜は予報どおり本降りの雨になりそうです。そういえば、昨年の演奏会も午後から雨でした。もしや藤村さんは雨男?
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時前からお客様が続々到着。今夜は小さなお子様連れのお客様もおみえですが、小さな頃から良い音楽に触れる機会がある子供は幸せですね。

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(雨の中お客様が続々お見えです。
まもなく開演)

演奏会が始まるまでの時間を利用して節子さんは自らがプロデューサーとなって企画した「八ヶ岳高原音楽祭」のご案内などで場をつなぎます。913日に八ヶ岳農場の広場で開催する音楽祭には加藤登紀子さんの出演も決まり、節子さんは協賛金集めや準備に奔走している日々なのです。

演奏会終了後の『打ち上げ』用料理作りを終え、私も2階席でスタンバイ。

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(6時半、演奏会が始まりました。
2階席は心地よい響きに包まれてリラックス・・・)

拍手に迎えられた藤村さんが登場し、バッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から演奏会がスタート

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(自作のボードを片手に「3分間クラシック講座」:
”転調はなぜ必要?”)

さて、毎回恒例の藤村さん自身によるお楽しみトーク、今回は、「3分間クラシック講座」です。“転調はなぜ必要か?”をテーマに、自作のボードでユーモアを交えながらのトーク。客席からたびたび笑いが巻き起こり、“掴みはOK?”

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(このホールで奥様との共演は2年ぶり)

チェロの演奏は、ドビュッシー「レントより遅く」、プーランクの「愛の小路」とフランス音楽が続き、お楽しみトーク第2弾は、20年位前のリハーサル中に録音した貴重な音源の紹介。

藤村さんがN響に入団した頃の指揮者ホルスト・シュタインは、後にN響の名誉指揮者となり昨年亡くなりましたがその特異な風貌のためにテノール歌手への道を断念したという美声の持ち主。指揮をしながら朗々と謳い上げて見せるホルスト・シュタインの声量には圧倒されました。

そして最後は、ドイツの巨匠リヒャルト・シュトラウスの「チェロ・ソナタ」。演奏時間30分になる難曲を19歳で作曲したとは驚きです。おなじみのサンサーンス「白鳥」の演奏でアンコールに応え、ホールを埋め尽くしたお客様の熱い拍手に送られて演奏会は無事終了。

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(節子さんのチラシ、糸さんの餃子、私の豚肉紅茶煮など)
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(お子さんたちも喜んで食べてくれるかな?)

会場では藤村さんのCD販売や、お客様との交流が続いていますが、私は裏方として『打ち上げ』の準備にかかりました。リヒャルト・シュトラウスの難曲演奏を頑張った奥様はお子さんたちと笑顔のスキンシップ。リハーサル時の厳しい表情から、すっかりお母さんの顔に戻った様子です。

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(お2人の息の合った素晴らしい演奏に感動!
壁の絵は、節子さんのお父様100歳の作品)

明日もお仕事があるという藤村さんたちを9時過ぎに送り出すまで短い時間でしたが関係者だけでささやかな『打ち上げ』。2日前から準備した「豚肉の紅茶煮」はお蔭様で大好評。そして小学生のまゆちゃんと俊くんのために用意したペンネもお子さんたちが喜んで食べてくれたので私も安堵。

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(帰り際に小一の俊くんが描いたパパとママの演奏風景)






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原村の小さなホール裏方日記:鈴木俊夫さんのギター演奏で『音楽の旅』を楽しみました [原村の小さなホール]

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八ヶ岳中央高原・原村のリングリンク・ホール、8月の音楽イベントは、鈴木俊夫さんのギター演奏会でした。鈴木さんがこのホールで演奏なさるのは今回がはじめてとのこと。

演奏会当日は、このホールのオーナーである小林節子さんの学生時代の仲間が集まる恒例の合宿と重なっていたので、いつもよりたくさんの仲間が東京方面から集まりました。
あいにくの雨模様にも拘わらず、予想を上回る大勢のお客様が演奏を聴きに来てくださいました。
特にホールの道案内の問い合わせ電話が多かったことから、初めてホールにお越し下さった方も多いようです。

演奏会告知チラシには、“「禁じられた遊び」「アルハンブラの想い出」「エリーゼのために」その他、クラシックから南米民謡まで色々と演奏します”と書いてありました。どんなプログラム構成なのか楽しみです。客席では、諏訪清陵高校ギター部の生徒さんたちが一番前の席に陣取って開演を待ちかねていました。

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螺旋階段をおりて登場した鈴木さんは、明かりを消したホールでスポットライトを浴びながら演奏を始める前にマイクを握って自己紹介をして下さいました。時折雨音も響くこの夜、ホール2階も埋め尽くした大勢のお客様による人いきれもあるのでしょうか、室内は湿気が多いようです。夏も涼しい原村のリングリンク・ホールには暖房設備しかないので温度や湿度の管理がうまくいかない日もあり、演奏者やお客様にご負担をおかけすることも・・・

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ギター曲の定番「愛のロマンス(禁じられた遊び)」から演奏会は始まりました。私には、若い頃この曲を弾きたくてギターを手にしたけれど、挫折したというほろ苦い想い出があります。

20代の頃、ブラジルで開催されたコンクールに出演したことがきっかけとなって、パラグアイとボリビア各地で演奏旅行をされた鈴木さんが演奏する南米の音楽を聴いていると、自然に体がリズムをとっていることに気づきました。鈴木さんはダンス音楽としてのギター演奏の第一人者だったということが、後になってわかりました。

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鈴木さんは、ギター演奏会初心者にもわかりやすく解説しながら、独奏だけでなく、あらかじめ録音した自分の演奏との合奏などバラエティに富んだ選曲で客席を楽しませて下さいました。
スペインから始まった今回の『音楽の旅・南米編』では、パラグアイやボリビア、ブラジルの曲が演奏されました。アルゼンチンの音楽の中には、5月に藤村俊介さんのチェロ演奏で初めて聴いたピアソラの「リベルタンゴ」もありました。アルゼンチンといえば思い浮かぶのはやっぱりタンゴですね。
モーツアルトの「トルコ行進曲」や「エリーゼのために」というお馴染みのピアノ曲もギターで聴くのは新鮮でした。

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(スペイン・アルハンブラ宮殿)

しばしの休憩を挟んだ第二部では、いよいよスペインの名曲「アルハンブラの想い出」と「アランフェス協奏曲」の演奏。
10年前初めてのスペイン旅行で訪ねたアルハンブラ宮殿の光景が目に浮かびますが、本日使用のギターは、そのアルハンブラ宮殿の近くで求めた楽器とのことでした。

また、ギターの名曲「アランフェス協奏曲」は、“ギター版カラオケCD”のブルガリアのオーケストラとの共演。最近はこんな便利なものがあるのですね。私にとってはギターという楽器の奥深さを感じた演奏会でした。
客席から手拍子も飛び出すなど楽しく盛り上がった演奏会終了後、お客様との記念撮影に気軽に応じて下さった鈴木さんを横目にみながら、私は打ち上げの準備にキッチンへ直行。

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この夜も、私的定番のタイ風カレーを作りましたが、テーブルにはご近所から頂き物のトウモロコシや先輩たちの自慢料理も並びました。長年の仲間だけでなく一期一会の方たちとも親しくお話しでき、夜更けまで楽しい宴は続きました。
ギターとチェロは音域が近いそうですが、選曲が重なるということは、二重奏も出来るのでしょうか。

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翌朝、直子さん宅のテラスでモーニングコーヒーを飲んでいたら、同宿だった鈴木さんたちが朝の散歩から帰ってくる姿が見えました。
鈴木さんも、リングリンク・ホールお馴染みの演奏家の方たちのように、またいつかリングリンク・ホールへ演奏しに戻ってきて下さるとうれしいのですが・・・


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原村の小さなホール裏方日記:即興演奏の真髄、森ミドリさんのチェレスタコンサート [原村の小さなホール]

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信州・原村のリングリンク・ホール、7月のイベントは「101コンサート」。
ホール主宰者小林節子さんの父上の「幻の101歳バースデーパーティ」が隠れテーマです。

昨年の今頃、100歳を祝う盛大なパーティの主役だった小林慎一さんは、この冬天国に旅立たれました。
この日のために、森ミドリさん(チェレスタ)をメインに、ゲストの崔宗宝さん(バリトン)、マーク・アキクサ(インディアン・フルート)というリングリンクお馴染みのアーティストが集合。

どんな演奏会になるのかわくわくしながら、私たち助っ人3人組も東京から駆けつけました。女手が欲しいという節子さんのリクエストにこたえ、同期のクンコがスタッフデビュー。

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7月12日、まだ梅雨明け前ですが5月よりも一段と緑が濃くなった原村は、すっかり夏の空です。
会場担当班が外の看板作りやイス並べなど会場設定準備をしている間に、料理担当班は、調理場で今夜の打ち上げパーティ用の料理作りを始めました。

やがて、友人の草柳文恵さんを同行した森ミドリさんや崔さん、マークが続々到着。リビングにも本番前の慌ただしい雰囲気が漂ってきます。ミドリさんは共演する崔さんと、演奏の打ち合わせをしてからホールでのリハーサルへ。崔さんは中国の方なので、日本語の歌詞などは意味を正確に伝える必要があります。
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今回はゲストやお客様も多いのですが、料理人の数も多いので、早番の私たちはご近所の直子さんと一緒にタイ式カレーやちらし寿司、チキン料理やおつまみなどの仕込みを手早く終えると、京都からの久保ご夫妻とバトンタッチ。
久保さんたちは、節子さんのお知り合いからのいただき物、自家栽培の野菜などを手際よくバラエティに富んだ居酒屋風料理に・・・

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(出演者のCDなども販売)

本日は6時開場、6時半開演ですが、早くおいでになったお客様を退屈させないように節子さんのMCが流れ始めると、私たちも会場の雑用係としてお手伝い。
昨年は、チェレスタってどんな楽器?”とよく分からないまま演奏会に臨んだ私ですが、ミドリさん愛用の『ミュステル』製のチェレスタは、NHK夏の甲子園大会中継で出場校紹介のバックに流れる大会歌♪♪「栄冠は君に輝く」♪♪の演奏に以前は使われていた楽器とのこと。

外見は、アップライトピアノかオルガンのようなチェレスタですが、鉄琴を鍵盤で演奏できるようにした楽器といえばよいのでしょうか。チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」の♪♪「コンペイ糖の踊り」♪♪もチェレスタの出番です。

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さて、6時半、まずは童謡などのメドレーから、ミドリさんの楽しいトークと弾き語りを交えたコンサートが始まりました。
今回も会場のお客様にリクエスト用紙をお配りして、その場でアレンジ演奏する趣向があります。
私も昨年聴いた美空ひばりの歌をリクエストシートに書いたのですが、取り上げてもらえるでしょうか。
チェレスタの、“天に昇っていくような”音色聴いていると、西日の暑さが残っているリングリンク・ホールの2階席はα波に包まれるような心地よさ。小林慎一さんの写真も一緒に2階席にいます。
ミドリさんはこの日の「幻の101歳バースデーパーティ」のために“慎一さん、101歳おめでとう”という歌詞が入った即興詩と手作りのハートのぬいぐるみを用意して下さいました。
ミドリさんは、会場のお客様からのリクエストシートを見ながら、リクエストした方と会話しながら演奏する曲を決めていきますが、チェレスタは鍵盤の数が少ないため即興的にアレンジ演奏できるのは、作曲家でもあるミドリさんならではのこと。

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ゲストとして『慎一おじいさん』のために駆けつけたマークは、インディアン・フルートツイン・フルートという2種類のネイティブ・アメリカンの笛を演奏。ミドリさんと一緒に一期一会の即興演奏「原村の風」などを、本当のおじいちゃんの様に好きだった天国の慎一さんのために捧げてくれました。

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再びミドリさんのリクエストタイムのあと、もう一人のゲスト、バリトン歌手崔宗宝さんが登場。
崔さんは、3年前にこのホールで「千の風になって」を初公開してくれたのですが、今ではテノール歌手秋川雅史さんの持ち歌のように思われているのが少し残念。バリトンできく「千の風にのって」、「さとうきび畑」、「アメイジング・グレイス」は本当に心にしみいる歌声でした。

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この1年間、節子さんのお父様だけでなく、この日会場に集まってくれた人たちの中にも配偶者や親しい人を亡くした方が何人もいます。
チェレスタは、ゆったり弾くとその良さが発揮されるとミドリさんは言いますが、そういう人たちへの想いをこめたしんみりした演奏に会場では思わず涙ぐむ姿も・・・
最後は崔さんが明るい曲で盛り上げてくれ、2時間あまりのコンサートは無事終了。私のリクエスト曲も取り上げてもらい大満足です。

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来場のお客様にも冷たいジュースなどをサービスして余韻を楽しんで頂いた後は、出演者とスタッフや日頃節子さんが親しくお世話になっている方々も交えての打ち上げパーティ。
午後から皆で手分けして作った料理はとてもおいしかったのですが、うっかり写真に撮るのを忘れしまいました。料理名人という崔さんに特別お願いして調理していただいた卵とトマトの炒め物は絶品だったので、今度自分でもチャレンジしたいと思いました。

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(小林慎一さんの写真:チェレスタの上からパーティに参加)

私は打ち上げが楽しみでスタッフ志願したともいえますが、夜が更けるまで楽しい宴は続き、テラスに出て夜空いっぱいに広がる満天の星の鑑賞までしてしまいました。


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原村の小さなホール裏方日記:藤村俊介さんの「ラフマニノフ・チェロソナタ」 [原村の小さなホール]

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八ヶ岳山麓の信州・原村ペンションビレッジに、フリーアナウンサー小林節子さんが主宰する小さなホールがあります。
リングリンク・ホールと名付けられたこのホールで開かれる音楽イベント、スタッフの大半はボランティアで駆けつける学生時代の仲間たちです。
私もリタイア生活に入った昨年から、スタッフ見習いとして東京からお手伝いに行くようになりました。

ホールのランドマークのようなずみの木(小梨)が満開の、5月24日(土)、リングリンク・ホールにとって今年初めての音楽イベントは、NHK交響楽団フォア・シュピーラーを務める藤村俊介さんのチェロ演奏会です。
藤村さんは、緑豊かな高原の小さなホールの音響を気に入ってくださったとかで、毎年ご家族とともに神奈川県から演奏会のために駆けつけてくださいます。

チェロ奏者としての実力はもちろんですが、藤村さんの「ファンサイト」があることでもわかるように、毎回東京から追っかけの熱心なファンが駆けつけるこの演奏会は、リングリンク・ホールの目玉イベントの一つになっています。
前日から原村入りした私は、節子さんのご近所仲間の直子さんと一緒にスタッフとお客様のための食事作りを担当。事前にメールで打ち合わせたテーマは「タイ料理の夕べ」です。

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前夜祭で作ったタイ式カレー(イエロー&レッドの二品)がなかなか好評だったので、藤村さんの演奏会の『打ち上げ』メニューにもタイ式カレーを二品作ることにしました

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スタッフの昼食とお客様用に作った、空豆をトッピングした「季節のちらし寿司」も大変好評でしたが、
ちょっとした工夫で、味も見栄えもぐっと良くなることを直子さんから教わりました。
料理上手の人と一緒に作業をするとお馴染みメニューでも“目から鱗”体験がありますね。

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(まろやかな辛さのイエローカレー)
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(スパイシーな辛さのグリーンカレー)

東京から持参したカレーペーストと、ココナツミルクに地元の食材を使って煮込んだカレーは、前夜食べた人にも飽きが来ないよう、具材や作り方をアレンジ。私はタイに旅行したことはないけれど、タイ料理などエスニック料理は好きなので、南国のスパイシーな湯気の香りに包まれているのは幸せなひとときです。
直子さんは『打ち上げ』用にチキン料理と豆腐のトマトサラダを作ってくれましたが、地元の新鮮な食材を生かしたメニューは、どれも簡単そうでいて、ひと味ひねったご自慢のパーティ料理です。

立ちっぱなし作業で奮闘した料理の準備もめどが立ち、藤村さんとピアノの小山さんお二人の熱のこもったリハーサルを私も特等席で堪能することができました。音響やライティング担当の男性スタッフは、本番前の最後のチェックです。チェロの柔らかいけれど力強い響きが直接体に伝わってくる距離で、名手の演奏をきける機会などなかなかありません。直前リハーサルに立ち会えるのが、なんと言ってもスタッフの醍醐味でしょう。
このホールのピアノはアップライト・ピアノなので、ふだんの演奏会ではグランドピアノが当たり前のピアニストにとってリハーサルは真剣な音あわせの場。

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特に今回のラフマニノフはピアノが伴奏と言うよりは、時には華やかな主役に躍り出る場面が多く、技巧が要求される曲なので、ピアノを演奏してくださった小山香織さんのご負担はかなりのものだったことでしょう。それにしても藤村さんと小山さんとは今回が3回目で、かつ久方ぶりの共演とは思えない見事な演奏でした。
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カサド:無伴奏チェロ組曲

カサド:無伴奏チェロ組曲

  • アーティスト: 藤村俊介,バッハ,カサド,カザルス
  • 出版社/メーカー: マイスター・ミュージック
  • 発売日: 2007/04/24
  • メディア: CD
バラ色の光り輝く雲が、ゆっくりと流れ

バラ色の光り輝く雲が、ゆっくりと流れ

  • アーティスト: 藤村俊介,ファリャ,クラフト,ニャタリ,ヴィラ=ロボス,バッハ,グノー,ストルムズ(イヴ)
  • 出版社/メーカー: マイスター・ミュージック
  • 発売日: 2006/04/24
  • メディア: CD

当日は、天気予報通り午後からあいにくの雨模様となり、演奏会の告知ポスターも急遽ラップで覆われました。悪天候にもめげず定刻前から続々とお客様が駆けつけて下さり、駐車場整理担当の男性スタッフは大忙しのようでした。クルマを利用せざるを得ない立地にあるホール故、毎回駐車場を提供して下さる近隣ペンションのオーナーの皆様のご厚意で成り立つイベントなのです。
この夜は外気温が下がってかなり冷え込んだので薪ストーブに点火したものの、室温が上がりすぎてしまい一部のお客様にはご迷惑をおかけしてしまいました。

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6時半から始まった演奏会、まずは、お馴染みの小品数曲を『前菜』として演奏、藤村さん自身によるトークを間にはさみながら会場のお客様と良い雰囲気を作り上げていきます。今回の『音楽の旅』は、ドイツ→スペイン→アルゼンチン→フランスを経て目的地ロシアへ。
『メイン』の「ラフマニノフ・チェロソナタ」は、「ピアノ協奏曲第2番」と同時期に作曲されましたが、演奏時間が40分になるという大作。譜めくり担当の藤村さん奥様も緊張の表情?

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藤村さんと小山さんの素晴らしい演奏に引き込まれて、時間の経過に気づかない至福のひとときでした。ホールを埋め尽くしたお客様の熱い拍手で、本日の演奏会は無事終了。お客様たちは会場で販売した藤村さんのCDにサインして頂いたり、記念撮影に応じて頂いたり演奏会の余韻にひたりながら本降りの雨の中へお帰りになりました。できればお客様もご一緒にワインでも飲みたい気分ですが、飲酒運転に繋がるおもてなしは厳禁です。

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そして、スタッフ一同が楽しみにしている『打ち上げ』ですが、今回は小さなお子さんたちをご両親に託して二人で残って下さった藤村さんご夫妻とゆっくりお話できました。

藤村さんが「こんがり日焼け」するまで楽しんだという、対馬での1週間つり三昧の話や、子供の音楽教育、演奏会の裏話など楽しい話題で大盛り上がり。
最近は、幼稚園のPTA活動でお忙しいという奥様は、「今回は自分がピアノを弾くのでなく、譜めくりなので楽勝と思ったけれど、こんなに大変だとは思わなかった!」と演奏会が無事終わった開放感を味わっていらっしゃる様子でした。
藤村さんたちが奥様のご実家に帰られたあとも、スタッフら内輪の宴はまだまだ続きました。
ボランティア・スタッフといいつつ自分が楽しんでいる、私たちが次回集まるのはたぶん7月。
さて、次回の『打ち上げ』のメニューは?


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