亡き友の”追悼ウォーク”、幹事の意気込みが降雨確率70%の雨雲を吹っ飛ばした [街あるき]
ハイキングといっても街歩きのようなウォーキングの時もあるので、後期高齢者世代や運動が苦手な私でも気軽に参加できます。
東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅をスタートして、野川沿いに小田急線「成城学園前」駅まで歩くのですが、アラカン世代以上の11人が終日雨の予想にもめげず時間通りに集合。
私が朝起きたときは天気予報どおり本降りの雨でした。「小雨決行」とはいえ、どう考えてもずぶ濡れ間違いなしの天候だと思い、幹事のケイタイにメールしたら、予定通り幹事は集合場所に向かうとのこと。覚悟を決めて、完璧な雨支度で家を出ました。
途中半蔵門線に乗り換えてから地下にもぐってしまい外の様子が全くわからなかったのですが、不思議なことに二子玉川駅に着いたら雨が上がっていたのです。
(二子玉川駅前の商店街を抜けて静かなエリアに)
本日のコースは、二子玉川駅→谷川緑道→静嘉堂緑地→岡本民家園→きしべの路(野川沿い)→次太夫堀公園(昼食休憩)→成城三丁目緑地→成城学園前駅。
(谷川緑道は住宅街の真ん中にある美しい散策路)
(きしべの路の標識)
実は、このコースは今年の冬に急逝した旧友と一緒に成城学園前駅から逆に辿ったことがありました。OB会ハイキング活動の発案者のひとりだったMS君が参加した最後のハイキングコースということで、幹事が“追悼ウォーク”の意味をこめて企画したものでした。
(住宅への美しいアプローチ)
(岡本の静嘉堂緑地はもとは岩崎家所有の庭園。
昭和20年頃までは庭園として管理されていたが
その後人の出入りもなく、貴重な自然が残されていたのを地域で管理。)
都内有数の高級住宅街に隣接したエリアとは思えないほどうっそうとした林の中で森林浴気分を味わい、先輩・後輩の仲間たちとおしゃべりし、生垣や公園などの花も観賞するぜいたくな一日でした。
(奥のケージは鶏小屋)
(岡本民家園に移築された茅葺屋根の家の土間)
雨上がりの住宅街やきしべの路を歩いている間一度も傘をさすことがないほど天候が回復するとは思ってもいなかったのですが、幹事の意気込みが雨雲を吹っ飛ばしてくれたのでしょう。
(水鳥も浮かぶ野川の「きしべの路」)
(緑に恵まれた次太夫堀公園の民家園で昼食休憩。
岡本よりもこちらの民家園の方が規模が大きい?
各種の体験イベントプログラムがある)
(茅葺屋根の農家で養育されていた春蚕。
寒さや風を嫌うので戸を閉めた薄暗い部屋は暖房中)
世田谷区は私が子供の頃は交通網も十分でないエリアがあり田園風景が色濃く残っていたのですが、住宅地としての開発がすすんだ今でも、今回歩いた二子玉川・成城エリアは豊かな緑が保存され、美しい水の流れを取り戻すための整備が行われていました。途中、昼食休憩をとった「次太夫堀公園」から先輩がひとり合流しましたが、このあたりが日常の散歩コースとはうらやましい限りです。
(急な崖地の階段を登りきると見事な育成竹林)
(小田急線の上にある富士山の見える橋。
晴れていれば富士山が見えたのに残念!)
成城学園駅へまっすぐ向かわず、見事な竹林のある崖地の階段を登ったのが唯一の難所でしたが、転倒者もなく無事にゴールである成城学園前駅に到着しました。
駅の近くの居酒屋で2次会を予定していたのですが、予約の時間までの暇つぶしを兼ねて、地元に詳しい後輩が案内役となって、有名人のお宅巡りをするというおまけまでついたウォーキングでした。
居酒屋では、成城がホームタウンという友人たちと合流して、にぎやかな追悼宴会になりましたが、その後さらに4次会まで飲み歩いたという人は、“3時間の歩きと、7時間の呑み食い”だったとか。トータルでは健康に良いことをしたのかどうだか・・・
でも、美しいものやおいしいものに感動したり、うれしいことがあるのはボケないために大事なこと。年老いて(?)持つべきものは友ですものね。
ウォーキングのコースを企画&案内してくれたハイキング幹事と、飲み会の居酒屋を設定してくれた宴会幹事に感謝です。
江戸の花見名所、「上野公園桜マップ」 [街あるき]
(上野公園・清水観音堂前:秋色桜)
(上野公園桜マップ:上野商店連合会発行)
上野公園は東京のお花見スポットとして有名ですが、お馴染みのソメイヨシノの他、2月から咲き始めるカンザクラ(寒桜)から4月下旬まで楽しめるサトザクラまで40種類、約1200本のサクラが植えられています。
ソメイヨシノが満開になった月曜日の午後、心地よい春風が吹き渡る上野公園に出かけました。
桜のトンネルのようになったメインストリートは幅広い年齢層&国際色豊かな花見客で大混雑。歩道の両側は、暖かな日差しの中で昼から大宴会の花見客でいっぱいです。
(動物園前の八重桜)
月曜日なので上野動物園は休園ですが、パンダがいないこともあり、上野動物園の入園者数が減っているとのこと。新しいパンダさんに会えるのはいつになるのでしょう・・・
花見客の喧騒を避けて脇道を清水観音堂に向かいました。
(ヤエベニシダレ)
桜並木といえばソメイヨシノですが、子供の頃住んでいた家の庭に八重桜があったので、庭木として考えるなら濃いピンク色の八重桜や枝垂桜が好みです。
(清水観音堂と秋色桜)
清水観音堂のまわりではきれいなピンク色の枝垂桜が満開でした。特に南側の樹は枝の張り出しも見事で、記念撮影スポットになっていました。帰りがけに寄った上野松坂屋で入手した、「上野公園桜マップ」という資料を見たら、観音堂の南側には『秋色桜(しゅうしきさくら)・秋色句碑』があるとの記述。句碑には気づきませんでしたが、この「ヤエベニシダレ」は上野公園の花見客にもあまり知られていないかもしれませんが、お勧めの花見スポットです。
観音堂にお参りし、階段を下りようとしたら薄いピンク色の中に紅色の花が混じった桜の樹がありました。1本の木なのに異なる色の花が咲くというのはよくあることなのでしょうか?
(清水観音堂下の小川には桜吹雪の吹き溜まり)
(不忍池の弁天道への参堂も大混雑)
これまで何回も来ている上野公園ですが、現在「国宝阿修羅展」開催中の東京国立博物館にも春秋のみ一般開放される庭園があることを友人から教えられました。敷地への入場は有料ですが、来年の春には行って見たいと思います。
(不忍池には水鳥も)
(不忍池の前の白い花は「シロタエ」?)
美術館に行くついでにお花見が楽しめる上野公園ですが、「上野公園桜マップ」を見るまで、こんなに多種多様の桜が植えられているとは今まで知りませんでした。
さて、西洋美術館で開催中の「ルーブル美術館展」、フェルメールの「レースを編む女」は大晦日のパリで見てきましたが、ルーブル美術館があまりにも広すぎて多分見落としていた17世紀の名画を見逃すわけには行きません。花見客が一段落するのは、いつ頃・・・
花の道、江戸城桜紀行②外濠ルート [街あるき]
JR飯田橋駅から四ッ谷駅の間は、車窓からもお濠を挟んで並行する外堀通りからも外濠の桜を楽しむことができます。線路沿いの土手の上は、整備された遊歩道や公園になっているので、周辺に働く人たちの手ごろなお花見スポットになっています。
(四ツ谷見附付近)
(宴会の場所取りシートがビッシリ・・・)
(桜の花の重なりがちょっと少ない?)
昨年は、飯田橋からスタートしましたが、今年は、千鳥ヶ淵コースの帰りに四ツ谷から歩いてみました。
千鳥ヶ淵緑道のような混雑もなくすいすい歩けますが、私が出かけた日、市ヶ谷濠沿いの土手の桜は、上を見上げると、空がかなり透けて見える感じでまだ満開というには少し早かった?
遅い午後の人通りは少なくても、桜の樹の下にはウイークエンドの仕事帰りに職場の仲間と宴会をするための場所取りシートがいくつも張られていました。
(外濠公園)
(散策スポットとしてもお勧め)
(飯田橋駅付近)
(桜の時期、カナル・カフェは大人気)
市ヶ谷駅を過ぎると、散策する人の数が急に増え、昼間から酒を酌み交わすグループも結構いました。
眺めの良い外濠公園には、休憩用のテーブルなども若干あり、桜の季節でなくても気分よくお散歩できます。
(市ヶ谷駅ホーム前の釣堀は健在です)
(市ヶ谷駅ホームからも満開の桜が楽しめます)
後日、地下鉄有楽町線から乗り換えて市ヶ谷駅のホームにでたら、夕暮れ迫る釣堀の先に満開の桜が見えました。この時期、通勤・通学客もつかの間のお花見を楽しむことで少しは癒されそうです。
桜の道、江戸城桜紀行①千鳥ヶ淵ルート [街あるき]
(お気に入りお花見スポット:
千鳥ヶ淵緑道)
桜の開花情報が話題になる季節になると、満開になるのはいつ頃? と毎年そわそわしてしまいます。
東京育ちの私にとって皇居のお濠端の千鳥ヶ淵緑道から、英国大使館前の千鳥ヶ淵公園に抜けるコースが、最近のお気に入り『お花見スポット』になっています。
(武道館前、牛ヶ淵の染井吉野。
武道館では法政大学の入学式)
好天に恵まれた先週金曜日の昼下がり、千鳥ヶ淵緑道は平日とは思えない人出でしたが、開花宣言後続いた肌寒い陽気のため満開にはあと一歩の八部咲き?
(右手の靖国神社境内には、東京の桜開花の標本木があります)
(千鳥ヶ淵緑道入り口付近は、カメラを構えた人で大混雑)
(暖かな陽気、お濠に浮かぶボートが気持ちよさそう)
(お濠に張り出したテラスは絶好の撮影スポット。
九段下方面の眺望:
蛇行したお濠は、水辺の表情に変化があるのが楽しい)
(千鳥ヶ淵緑道ももうすぐ終わり。
前方は、首都高速「代官町」付近)
水辺にせり出す花の色づきと、満開の桜特有の厚みがちょっと物足りなかったのですが、今年も元気で桜の季節を迎えることができたことを感謝しながらひとりで江戸城の桜を満喫してきました。
(戦没者墓苑を右に見ながら通りを渡り、千鳥ヶ淵公園へ。
英国大使館前の公園内は宴会も可)
(背の低い木もあるので、桜の香りを間近に感じられます)
(半蔵門交差点付近)
本日のコース①は、九段下駅~牛ヶ淵~武道館~靖国通り~千鳥ヶ淵(緑道)~代官町~半蔵濠~千鳥ヶ淵公園。千鳥ヶ淵緑道は、宴会などの飲食禁止なので、純粋に花見を楽しむ人や、写真撮影する人たちに人気があります。
平林寺の紅葉・・・武蔵野の雑木林とモミジの融合が織りなす錦 [街あるき]
(平林寺:埼玉県新座市)
小春日和の午後、SNS仲間に誘われて埼玉県新座市・野火止にある平林寺の紅葉を見に行きました。
平林寺は臨済宗妙心寺派のお寺ですが、野火止台地の13万坪という広大な敷地の中に、武蔵野のおもかげを残し国の天然記念物に指定されている自然豊かな雑木林があります。雑木林の木々と紅葉した楓が見事に融合した素晴らしい景観の圧倒的なスケールには驚かされました。
池袋から東武東上線の急行で20分の志木駅南口から西武バスで約10分の「平林寺前」で下車すると、そこは両側にうっそうとした雑木林が広がり、国木田独歩の名作「武蔵野」の世界にタイムスリップしたような場所でした。
(茅葺きの山門)
平林寺正門前でSNSメンバーと落ち合い境内にはいると、平日にもかかわらずシニアのグループなどカメラ持参の入山者がたくさん来ていました。本日は、昨年もSNSのメンバーを案内してくれたジョーさんという心強いガイド役が一緒なので広い境内の見所を外す心配はありません。
拝観入り口の総門を入ってすぐから素晴らしい紅葉が出迎えてくれたのですが、ジョーさんは「まだまだこの先にもっと良いところがあるから」と言います。
茅葺き屋根の山門の横に樹齢500年という見事な「高野槇」がありましたが、水に強いので、湯船などに使われるとのこと。お寺発行のガイドブックによると、平林寺には昭和52年に皇太子時代の今上天皇が行啓されていますが、秋篠宮家の長男悠仁様のお印はこの「高野槇」。過密日程をこなされている天皇陛下が少し体調を崩されたというニュースに接すると、皇室のお世継ぎ問題が気になりますね。
(雑木林にとけ込んだ紅葉)
平林寺は禅修行の専門道場であるため、摂心日にあたる12月1~8日は、本堂は拝観休止となっていました。
鐘楼をみながら遊歩道を進むと、精進料理の材料使うのでしょうか嵯峨野のような竹林があります。
やがて遊歩道からお寺の建物は見えなくなり公園の中にいるような風景が続きます。
(光を受けて燃えるような紅葉を背にした「歴代塔所」)
しかし、門構えのある石段の上の「歴代塔所」にお参りすると、この寺が長い歴史をもつ由緒ある古刹であることがよくわかります。
(雑木林の足元に密生したクマザサ)
先週末訪ねた京都の東福寺も平林寺と同じく臨済宗の大きなお寺。”春の桜を伐って秋の楓を選んだ”東福寺には日本庭園の様式美を感じましたが、雑木林と楓を融合させた平林寺はもっとダイナミックで荒削りな美しさでしょうか。
(紅葉狩りは晴れた日に!
光を通して見た時、輝くような美しさの紅葉も、同じ木を反対側から見ると??)
(もしモネがこの庭を描いたら、どんな作品になるのだろう・・・)
素晴らしい好天に恵まれ、日の光によって微妙に色合いが変化する楓の紅葉を満喫したのですが、光の取り入れ方にこだわった印象派の画家・モネのジヴェルニーの”睡蓮の池の庭”を見学したときと同じような色彩美を平林寺でも感じました。
(野火止用水とつながる放生池)
私たちは、沢山写真を撮りながらゆっくり散策しましたが、広い境内は遊歩道も幅広く殆ど平坦なのでシニアにも優しい紅葉スポットだと思います。雑木林には飛来する野鳥も多く、地名の由来となっている「野火止塚」や川越藩主・松平伊豆守信綱一族の墓などもあるので色々な楽しみ方ができそうです。
(ゆっくり散策しても2時間弱のバリアフリーなコース。
平林寺の帰りは、門前の茶屋で甘酒でも)
東京生まれの東京育ちながら浦和レッズのサポとして埼玉スタジアムや浦和駅周辺はしばしば訪れる私ですが、埼玉県の観光資源についてはこれまで殆ど興味がありませんでした。これは私だけの問題ではないようで、全国的にみると埼玉県は都道府県別観光ランキングなども低く、「観光に行ってみたい場所」としてなかなか思い浮かばないエリアだとか。
今回平林寺の紅葉を体験して、古都・鎌倉の紅葉にも匹敵するような紅葉の名所が埼玉県にもあったことがわかりました。
(平林寺の拝観券には「一期一会」の文字
写真右下の黒い粒は、雑木林で拾った「ムクロジ」の実;羽根突きの羽根の玉に使われる)
さて、本日ガイド役を務めてくださった森林インストラクタージョーさんの近著「荒川流域ジョーさんの植物そぞろ歩き」には、葉っぱの見分け方や、紅葉のメカニズムなど身近な植物の蘊蓄話が色々書かれています。
(平林寺の傍を流れる「野火止用水」)
自然界の植物に関する知識が殆どなかった私も、ジョーさんと一緒に歩いたりしている内に少しずつ植物の生態系などに興味がもてるようになりました。そういえば、学生時代の仲間とのハイキング倶楽部も発足当初は森林インストラクターの後輩が色々ガイドしながら一緒に歩いてくれたのでした。彼が東京からいなくなってしまったので最近はおしゃべりを楽しみながら歩くハイキングになってしまいましたが、植物に対する知識がもう少し深くなると歩きながら勉強するという楽しみ方もできそうですね。
ハロウィンが過ぎると、冬の足音がすぐ近くに聞こえる? [街あるき]
10月31日は、ハロウィン。
有楽町・国際フォーラム前の広場にも、オレンジ色のカボチャの飾りがたくさん並んでいました。
近づいてよく見ると、カボチャを削ったのではなく、カボチャにシールを貼ってあるのでしょうか?
ハロウィンは、元々は、カトリックの諸聖人の日(万聖節)の前の晩に、カボチャをくりぬいた中にローソクを入れたランタンを持ち、魔女やお化けに仮装した子供たちが、「お菓子をくれないと、いたずらするよ!」と叫びながら近くの家々をまわって歩きます。“子供たちにいたずらをされてはかなわない”と、大人たちは、用意したお菓子を子供たちに配るという伝統行事です。
昔観た映画に、ふだんは訪れる人も少ない二人暮らしの老人世帯が、この日だけは、お菓子を用意して子供たちが来るのを楽しみに待っているというシーンがありました。
(ドイツ・ドレスデンのショッピンセンターで)
ハロウィンの日は、どこの家も子供たちの来襲に備えてお菓子を用意しておくので、9月頃からお菓子屋さんの店頭には、子供の喜びそうなお菓子がいっぱい並びます。
日本では、ディズニーランドのハロウィンパーティが楽しいと聞きましたが、仮装パーティや、街を仮装姿で練り歩くことはあっても、よその家を子供が訪ねる習慣はありませんが、お菓子やグッズは季節商品として定着してきたようです。
最近は、カボチャの飾りを自分で制作して、自宅の庭にオブジェのように飾って楽しむ人もいるそうです。ランタンのようにローソクをつけてライトアップしたら素敵かもしれませんが、クリスマスイルミネーションほどには普及していないらしく私の住むエリアでは見たことがありません。
夏の終わりに訪れた原村の八ヶ岳農場の直売所では、見事に育ったカボチャをたくさん売っていました。飾りにするアメリカカボチャは堅くて食用には適さないそうですが、数千円以上でも大きいカボチャほど人気があるとか。
暖かかった東京も、ハロウィンが終わると木枯らしが吹き、冬の足音もすぐ近くに聞こえて来るような気がします。今年もあと2ヶ月だけ。そろそろ年賀状の準備もしなくては・・・
新緑の古都鎌倉、「天園ハイキングコース」は侮れない [街あるき]
『鎌倉の名所旧跡を訪ねながら手軽なハイキングを楽しむ』という欲張りツアーのガイドは、「鎌倉の徒歩愛好家」。我が家の庭のように勝手知った半日コースを案内してくれました。
本日のコースは、鎌倉駅→若宮大路→鶴岡八幡宮→白旗神社→源頼朝墓→荏柄天神社→鎌倉宮→瑞泉寺(天園ハイキングコース入り口)→大平山→半僧坊(天園ハイキングコース出口)→建長寺。
10時半過ぎに鎌倉駅を出発した参加者は約20名、先輩・後輩が学年を超えておしゃべりしながらの“歩き”を楽しみに集まる60+の男女です。今回は久しぶりにアップダウンの予想されるコースなので敬遠したメンバーがいるのかもしれません。
鎌倉観光のメインストリートである若宮大路は土産物屋や飲食店などがたくさんあるので、買い物の誘惑に負けて迷子(?)がでないようにという幹事の計らいで私たち一行は車道の真ん中にある遊歩道を歩きました。(以前参加者1名が行方不明になったことがあるのです)
鎌倉の伝統工芸といえば、真っ先に思いつくのは『鎌倉彫』。若宮大路にも『鎌倉彫』の専門店が何軒かありましたが、このご時世、伝統工芸品の良い物は手軽な値段ではとても買えないそうです。子供の頃実家の母が使っていた鏡台は鎌倉彫でしたが、今も作られているのでしょうか。
通りの突き当たりの鶴岡八幡宮の赤い鳥居をくぐると、新緑がきれいな境内には大勢の観光客がありました。池のまわりなどをゆっくり散策したい気分になりますが、私たちは足早に境内を抜けてハイキングコースをめざして先を急ぎます。
(流鏑馬のコースは、全長120間)
毎年春秋に流鏑馬が行われる場所を教えてもらいましたが、思ったより狭い空間なので、大勢の見物客が見守る中で疾走する馬の上から、鏑矢で的を射ることを想像するとなかなかスリリングな行事かもしれません。
静かな住宅街を通って、源頼朝のお墓に行きましたが、征夷大将軍の墓というのに思ったよりこじんまりしていましたが、駅の反対側にある北条政子(頼朝の妻)のお墓の方が大きくて立派だとか。
次に立ち寄ったのは、討幕に奔走した護良親王を祀る鎌倉宮。「厄割り石」というのがあったので、初穂料100円也で求めた素焼きの盃を思いっきり石に投げつけてちょっと厄払いしてみました。
(江ノ島方面の眺望)
さて、「花の寺」として有名な瑞泉寺の手前に本日の主目的「天園ハイキングコース」の入り口があります。ハイキングコースに入るといきなり思ったより急な坂道で、足元に注意して歩かないと、湿った落ち葉に足を滑らせたり、木の根に躓いて足首を捻りそうな山道になっています。歩いている途中で写真を写す余裕があったのは途中にいくつかある展望台などだけ。滑りにくい靴底のスニーカーを履いてきた私はなんとか転ばずに済みましたが、足が滑ってお尻を着いてしまった方もちらほら。
(海抜159.2メートルの大平山から、横浜方面の眺望)
登りと下りが行き交う時は道を譲らなければならない箇所も多い古道のかなりきついアップダウンを歩いて、ようやく「天園峠」に到着。このあたりに何軒かある茶屋でも飲食出来ますが、弁当持参の私たちはその先の「大平山」の頂上下の広場で昼食休憩です。男性群にはビールを飲む人もいましたが、この先も油断できないコースなので、私はもちろんペットボトルのお茶です。このハイキングコースにはゴミ箱はありません。自分の作ったゴミは全て持ち帰ります。
(あと2キロ!)
鎌倉の閑静な住宅街の裏山にある標準行程で所要時間100分というこのコースで、久しぶりに本格的なハイキング気分を堪能できました。寺社巡りの延長気分で歩き始めると途中でギブアップしたくなるかもしれません。
ようやく、ハイキングコースの出口となる建長寺が下の方に見えて来ました。
(斜面のカラス天狗たち)
下り道や階段では足腰だけでなく膝に負担がかかりますが、今回はなんとか最後まで膝の痛みが出ずに歩けそうです。半僧坊から建長寺に向かう長い石段の横の斜面に、たくさんのふしぎな彫刻が・・・
これは「カラス天狗」だと、本日のガイドである「鎌倉の徒歩愛好家」に教えてもらいました。天使の日本版みたいな風貌ですが、どういう伝説の持ち主なのでしょう?
(境内の大樹は、ビャクシン?)
建長寺の境内を抜けて、本日のハイキングは、ひとりのけが人・脱落者もなく無事終了。コースの下見をしてくれたガイドに感謝です。本当は鎌倉の街をもう少し散策したかったけれど、十分歩いたのでまたの機会にしましょう。午後3時過ぎに北鎌倉駅から電車に乗りました。
ガイド役の友人たちからのビールの誘いを断って、女性群は大船で途中下車して冷たいソフトドリンクで少しだけおしゃべり。なんせ、今夜はどんなに疲れて眠くても、風呂上がりにきちんと体のケアをしてから寝ないと、明日の朝、体が痛くて起きあがれないなんてことにもなりかねませんから。
『私的世界の車窓からの旅』番外編:江戸城外濠ルート桜紀行(中央線・飯田橋ー四谷) [街あるき]
桜の季節、通勤・通学途中の電車の窓から見える満開の桜は満員電車の苦痛を和らげる一服の清涼剤のように感じました。
車窓から見える桜で、私の一番のお気に入りは、中央線・飯田橋―四谷間の外濠の桜です。
電車の中からのお花見は一瞬で終わってしまうことが多いのですが、ここは二駅分たっぷりお花見ができるオススメポイント。都心なのに、お濠にはボートが浮かび、釣り堀もあるのんびりした雰囲気も好きです。
東京育ちの私には昔から馴染みのあるルートですが、今回はじめて「飯田橋」から「四谷」まで、線路に沿って続く「外濠公園」を通しで歩いてみました。
電車の中から見慣れた景色も、いつもと角度が違うので新鮮でした。「飯田橋」駅に一番近い「牛込濠」は、ボートハウスや水上にはりだしたデッキのあるレストランもありデート・スポットになっています。
「外濠公園」は遊歩道が整備され、ベンチもたくさんあるので、シニア同士の花見客が目につきました。
散策の人に混じって昼間からシートに座って宴会の人もちらほら。法政大学付近は、入学式の新入生勧誘から「新歓コンパ」なのでしょうか、学生さんがたくさんいました。
写真には写っていませんが「新見附濠」の端、市ヶ谷駅ホームの前には昔からの小さな釣り堀がまだ営業中。
「市ヶ谷濠」はだんだん細くなり、四谷駅のところでは、グラウンドになっています。
柵の中は「四谷見附跡」だったと思うのですが、中に入れず確認できませんでした。
子供の頃から見慣れていた四谷駅前の「聖イグナチオ教会」は数年前に建て替えられ、モダンなフォルムに生まれ変わってしまいちょっと残念です。
桜並木は上智大学から、ホテルニューオータニ方面まで続いていますが、本日の桜紀行は四谷で終了。
桜吹雪がきれいでしたが、頭上の桜の木を見上げてみれば既に葉桜になりつつある様子。見頃は今日・明日が限界でしょうか。
千鳥ヶ淵(皇居)の桜と目黒川の桜 [街あるき]
先週、見事に週末にあわせるかのように、首都圏の桜は満開になり、桜の名所はどこもお花見客で大変な混雑だったようです。上野公園は通勤時のターミナル駅のような混雑だったとか。
私はいつの頃からか桜の開花時期が近づくと落ち着かなくなる日々を過ごすようになりました。
リタイア生活で夜桜見物の宴会には縁がなく、純粋に桜の花を見て楽しむだけなのですが、お濠端など水辺にせりだした桜を見るのが特に楽しみです。
皇居のお濠の桜を、高貴な桜とするならば、庶民の桜の代表のひとつに目黒川の桜があります。以前はどぶ川の様になっていた目黒川が改修工事のおかげで周辺も整備され、散策コースになっています。
満開の時期を逃すまいと、今年は連日のようにお花見にでかけました。
混雑を避けて中途半端な時間に行ったにもかかわらず、「九段下」で地下鉄をおりると、武道館前の「田安門」の桜からずっと黒山の様な人だかりで、緑道に入るには、大行列しなければなりませんでした。
お濠に面した「緑道」は、一番端を歩けば、人が入らない写真が撮れるので入場制限をしていたのです。あちこちに撮影ポイントがあり、その都度皆の足が止まりがちですが、長時間並んだ甲斐があり、都心のど真ん中に咲き誇るきれいな桜を堪能できました。
ボート乗り場も夕方だというのに行列ができていました。当日は千代田区の「さくらまつり」ということで、緑道のライトアップもやっていましたが、夜桜見物には少し寒い天候でした。ボートからは違うアングルの桜が楽しめるでしょうが、ボートこぎには自信がありません。
さて、庶民のお花見スポット目黒川沿いコース、こちらは各商店街の会員の名前などが書かれた赤いぼんぼりで、夜はライトアップされデートコース向きとか。
平日でもあり、「池尻大橋」から歩き始めたころは周囲の人もまばらでしたが、山手通りをこえ、「中目黒」駅に近づく頃はかなり沢山の人がお花見をしていました。
川沿いにところどころあるベンチに腰掛けることも出来ますが、土手のような広い場所はないので歩きながらのお花見です。この日はかなり風が強く体感温度は低かったので、焼き芋の移動屋台は結構繁盛していました。
狭い川にいくつも架かっている小さな橋の上から写真撮影をする人が多いのですが、携帯のカメラで写真を撮る人シニア女性の姿も目立ちました。風や雨に花が散らされることなく今度の週末に予定されている「さくらまつり」まで桜がもつと良いのですが・・・
お花見コースは駒沢通りをこえて目黒駅の方までまだまだ続きますが、夕方近くなり冷え込んできたこともあり、私は中目黒で電車に乗ってしまいました。
でもなんとなくお花見気分が続いて、渋谷のデパートで「焼き鳥」と「卵焼き」を買って帰り、ささやかにビールで乾杯しました。
ちょこっと花見ー「都心のオアシス日比谷公園」、桜も今が満開 [街あるき]
昨日(3月27日)の午後、有楽町に用事があったついでに、日比谷公園まで足を伸ばしました。
10年くらい前は、すぐ近くに勤務先のオフィスがあったので、天気のよい昼休みは公園の中のレストランでランチをしたり、時間のあるときは散歩に行った場所です。
日比谷公園の桜は本数は少ないのですが、我が国で最初に作られた洋式庭園には季節の花が咲き乱れ、ベンチもたくさんあるのでゆっくり座ってお花見できるのが何よりです。
昨日も平日の昼下がりをテニスに興じたり、のんびり散策する人たちだけでなく、仕事中のつかの間の休息や“通り抜け”という雰囲気の人も結構いました。
日比谷交差点方面からアプローチすると、1本の桜の大樹が目につきます。枝振りも見事なこの木は、私がまだ駆け出し社員だった頃遊びに来たときの写真にも写っていた記憶があります。懐かしい人に再会したような気分です。
桜並木の向こうには日比谷野外音楽堂があり、日比谷公会堂に面した広い道路や霞ヶ関の官庁街、警視庁のある桜田門付近には何気なくお花見ができるスポットがたくさんありますが、排気ガスも心配だしのんびり花見には向いていません。
さて、日比谷方面に戻ると広い芝生の庭がありますが、芝生内は立ち入り禁止。
公園内には、その昔10円カレーが話題になった「日比谷松本楼」の他に、夏はビアガーデンとしても利用されるオープンテラスのあるレストランがありますが、ちょっとご無沙汰している間に公園内がとてもきれいに整備されていました。向こうに見える「旧日比谷公園管理事務所棟」は、明治43年に建てられたもので東京都指定の有形文化財。ドイツ・バンガロー風の瀟洒な洋式建築には、現在ガーデン・ウエディングができるウエディング・ホールが併設されているようです。