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レッズ対ガンバ戦の埼玉スタジアムでおきたこととメディアの報道 [サッカー]

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(選手入場時のゴール裏のビジュアル。レッズは大旗を広げ、ガンバは3色の小旗を振る)

先週末、Jリーグの試合会場で、双方のサポーターが関係する残念な出来事がありました。
『家族連れも安心して観戦できる世界一安全』なはずのJリーグの試合会場で、試合後に双方のサポーター同士が衝突し、機動隊が出動するなどの騒ぎになったのです。

翌日、両クラブが話し合った結果の概要報告が双方の公式サイトにのりました。
レッズは、“運営責任者として重大な不手際があったことのお詫びとセキュリティなど今後の警備体制の見直し”を、ガンバは、“自チームのサポーターエリアから心貧しいファンによって試合前から挑発行為がしかけられたことと、試合後勝利を喜ぶ選手たちのパフォーマンスがTPO的に不適切であったことを謝罪し、今後スタンドに物投げをした実行者を特定して厳しい処分を行う”という内容です。

その場に居合わせて、事の成り行きを見守っていた一人として、両クラブの対応は概ね納得のいくものといえますが、当日および翌日の、テレビや新聞の報道のニュアンスは、私にとって違和感のあるものでした。マスメディアの報道だけをみた人には事実誤認させかねない論調や映像の使い方のように感じたのです

翌朝の某スポーツ紙の一面には、「浦和サポがG大阪サポを3時間封鎖」という大きな見出しが踊っていました。“試合終了後、ピッチ内での両クラブ選手の険悪ムードが飛び火し、スタンドで両サポーターが衝突した。警察や機動警備隊まで出動する乱闘騒ぎとなり、約1000人のG大阪サポーターが約3時間もスタジアム内に足止めされる事態になった”という記事です。
発端は、G大阪の歓喜パフォーマンス”とも書いてあるので、知らない人が読むと、レッズが負けた悔しさからレッズサポーターが大暴れ?と思ってしまうかもしれません。

この試合は、双方にとってJリーグ中断前の大事な一番ということで、チケットは前売りで完売、実際の入場者も今季ホームゲーム最高の57,050人でした。
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結果は、試合巧者のG大阪がレッズ守備の一瞬の隙をついてモノにした3得点を泥臭く守り、梅崎のFK等で追いすがるレッズを3-2で振り切っての勝利。レッズサポとしては審判の試合コントロールなどを含めて悔いが残る後味の悪い試合になってしまいました。

しかし、当日、ガンバのゴール裏および隣接するレッズの南ゴール裏で起こった出来事は、試合の内容とは関係なくおきていました

(↓試合開始前。ガンバ側から、レッズ側に物投げ行為。警備員がガンバ側から柵を押さえている)

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試合開始直前、ガンバのゴール裏から、レッズのゴール裏に対して突然物投げ行為が始まりました

私の席からは少し距離があったため何をぽんぽん投げているのかよく見えませんでしたが、レッズ側の人にあたって水がはじけるのは肉眼でもわかりました。投げられたのは「水風船とあとから知りましたが、投げ入れを意図して計画的に持ち込んだとしか考えられません。
さらに、緩衝帯の柵をつかんで揺すったり、もっとやれと言うようなジェスチャーをする人もいて、レッズ側を挑発しているように見えました。この時点で、警備員が飛んできましたが、特に大きな動きはなく、なぜか警備員がガンバ側の柵を守るような仕草がみえました。
この時点では、レッズ側から物投げ行為の応酬はなく、されるがままという状況。(「子供にあたって危ないよ」くらいの苦情は言ったでしょうが)
ちなみに、レッズ側の南ゴール裏は、過激なサポーターと言うよりは、家族連れや着席して応援するいわゆる「ぬるさぽ」や静かな「地蔵系」が多いエリアです。


試合開始前のこの段階で、主催者側から場内アナウンスなどで、毅然とした注意があって欲しかったのですが、選手入場の直前だったので雰囲気を壊したくなくて躊躇したのでしょうか。

直後の選手入場時、ガンバゴール裏は、用意してきた3色の小旗を振って選手を迎えました。
試合中にも物投げ行為があったかどうかは、試合に集中していたのでわかりません。

試合後に、ピッチ上でガンバの選手たちが、「歓喜の輪」のパフォーマンスをはじめたので、真っ赤に染まったスタジアムから大ブーイング。闘莉王が別の場所でやるように注意しに近づいて来ました。
元ガンバのGK都築がガンバのゴール裏に近づき、ガンバ選手と小競り合いになりそうだったのを同僚が必死に押し止めていました。

(↓試合終了直後。ガンバ側の方が初めから積極的に動いていたが翌日の紙面には、レッズ側からなだれ込む写真だけが使われていた)

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選手が引き上げたあと、スタンドの物投げ行為が本格化。水風船、紙コップ、ペットボトルの他、旗竿の竿と思われる長い棒も投げ込まれ、レッズ側も応酬して、双方が緩衝帯の柵を壊して乱入、争いが激しくなりました。
スタンドからは「(ガンバ)帰れ!帰れ!」のコールがそこかしこから起こりました。
そのせいではないでしょうが、最初3000人くらいいたはずのガンバゴール裏は、半分以上は早々に姿を消してしまいました。

私たちは、帰り支度をして、スタジアムを出ようとしましたが、どうやらガンバサポの出待ちのためにレッズサポが外に大勢残っていました。先ほど挑発行為をしていた男性の顔を見てみたいと思い、少しの時間待ちましたが、いっこうに出てくる気配がないのであきらめて帰りました。
この時点では、スタジアムの外にガンバのレプリカユニを着た人が、レッズサポの中に混じって普通に帰り道を歩いていたので、まさか「浦和サポがG大阪サポを3時間封鎖」などという事態になるとは全く考えませんでした。
3時間というのは、双方のサポーター代表者が話し合ったり、ガンバサポーターに万一の事故がおきないよう安全確保のために近隣の駅まで送るバスの手配に時間がかかったようです。決して、帰らせないように軟禁する意図があったのではないでしょう。

まさに、いくつかの事実だけをピックアップして編集すると別の真実ができるような出来事でした。

とはいえ、レッズの選手が審判の判定にクレームをつけたり、あとから審判批判をするのは見苦しいし、自分たちにとってメリットがあるとも思えません。昨年、アジアを戦う中で学習したと思っていたのに残念です。レッズの選手たちは審判と対立せずに、フェアプレーの精神をもちつつ、試合運びをもっとマリーシアにお願いしたいです。一瞬の隙を一試合に何度もみせては勝てないでしょう。

ガンバは、選手たち自ら「フェアプレー」というお念仏をブログに書いたりしています。
(今季から、試合開始前に「フェアプレー」のフラッグに選手はサインしているはずですね)
後日、騒動の報告をした両クラブについて、Jリーグの鬼武チェアマンから、
「Jリーグを代表する両クラブだが、品格が備わっていない。世界に手が届くクラブにはなっていない」と苦言を呈されたと言う報道がありました。
たしかに、おっしゃることはごもっともですが、玉虫色の決着となった例の「審判暴言問題」で、「死ね」ではなく、「うるさい、黙ってプレーしなさい」と発言したという審判の品格問題についても言及して欲しかったです。



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