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『ミュンヘン発ドイツ周遊鉄道の旅』備忘録その1・・・・若きバイエルン王夢の跡「白鳥城」へ [海外旅行]

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絵はがき:ノイシュヴァンシュタイン城(白鳥城)

私が好きなTV長寿番組「世界の車窓から」は、ただいま「春のドイツ東部を巡る旅」をオンエア中です。(2011718日から102日まで放送予定)

最近BSデジタル放送の旅番組を見る機会も多くなったのですが、鉄道利用の欧州旅行はゆとり世代の理想の旅スタイルでしょうか。私は鉄女ではないけれど、海外の列車に乗るのは大好きです。テレビの番組などで中近東など自分にとってまったく未知の国の車窓風景や街並みを見るのも楽しみですが、自分が旅した国や街の映像を観ると旅の思い出が甦るような気分で画面に見入ってしまいます。

2008
9月に、ミュンヘンからベルリンまで鉄道やバスを乗り継いで足かけ10日間で周遊したドイツは、鉄道総延長35986キロの鉄道大国ということもあり、テレビ番組で取り上げられる機会が多いようです。

ドイツの旅については、このブログでも何度かご紹介していますが、自分の備忘録として『ドイツ周遊鉄道の旅』のあれこれをまとめてみたいと思います。


<ドイツ10日間の旅・周遊ルート>

《鉄道》ミュンヘン→フッセン(ノイシュヴァンシュタイン城)
《ロマンチック街道バス》フッセン→ヴィース教会→アウグスブルク→ネルトリンゲン→ディンケルスビュール→ローテンブルク
《鉄道》ローテンブルク→ヴュルツブルク→ドレスデン→ベルリン


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◆旅の始まりはミュンヘン◆
バイエルン州の州都ミュンヘンは1180年から約700年間、南ドイツを統治したバイエルン王国の首都。
日本人にとってもなじみ深いビール醸造の本場だが、サッカーファンにとってミュンヘンといえば、まず思い浮かぶのは強豪バイエルン・ミュンヘン。
今回はスケジュールの都合でミュンヘン市内観光は断念。


<夜のミュンヘン中央駅>

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中央駅は、国際列車から近郊鉄道のSバーンやUバーンまで多種多様な列車が発着

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ドイツでは、自転車をそのまま積んで乗車できる専用車両がある

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旅行客で賑わう駅構内のフードコート

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大きなプレッツェルは、シンプルな塩味でビールに合いそう

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☆ドイツ到着第一夜の夕食はピザとポテトフライで


<朝、ミュンヘン中央駅からフッセンへ>

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☆チケット売場で、ジャーマンレイルパスの刻印を受けてから乗車
(パスは日本で購入)

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8:52発のフッセン行き列車に乗車
☆乗車当日は、線路工事のため途中駅から代替バスの運行

☆車内で、私たち同様ノイシュヴァンシュタイン城を見学してからローテンブルクに向かうという韓国・ソウルからきたご夫婦と隣り合わせになった。奥様が趣味で日本語勉強中とのことでこれから向かうノイシュヴァンシュタイン城の話題などでしばし話がはずんだ。

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10:45:代替バスでフッセン駅到着

ロマンチック街道の終点となる海抜700メートルのフッセンは、ノイシュヴァンシュタイン城観光の拠点だが、アルプスの山々と湖を有する保養地として古くから有名。

☆まずは、宿泊ホテルに荷物を預けてから路線バスで城の玄関口ホーエンシュヴァンガウに向かうことにする。バスの乗車時間は10分くらいだが、タクシーもある。

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12:20:城が見えるチケットセンターに到着

☆ノイシュヴァンシュタイン城の見学はガイドツアーの予約が必要だが、日本からネットで予約できる。

チケットセンターでのチケット引き換え時に、予約より早い時間帯に変更することも可能。
標高1000メートルにある城行きのシャトルバスもあるが、バス停からさらに10分程度歩くので、緑豊かな山道を徒歩で城に向かうことにした。

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所要40分という林の中のゆるい坂道を、小雨の中30分くらいで登り、城の入り口下の大きな売店に到着。

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13:20:ノイシュヴァンシュタイン城見学入場

1869年、第4代バイエルン国王ルートヴィヒ2世の命によって着工
され、標高1000メートルの崖に建つ白亜の優美な城はディズニーのシンデレラ城のモデルともいわれる。

白鳥の騎士ローエングリンに憧れ、中世に思いを馳せる少年時代を送ったルートヴィヒが19歳で王位についた時直面した現実は、うち続く戦乱と北の大国プロイセンの圧力。
青年国王は、外交や軍備の拡充ではなく、白鳥の騎士の城造りに全精力を傾け、心酔するワーグナーがつくった中世の夢の世界を具現化することに莫大な資金と資材を投入した。
自らの夢のためには政務も財政も顧みない熱狂ぶりで次第に周囲の信頼を失った王は、即位から22年後の1886年、精神的な病を理由に王位を剥奪された。
ノイシュヴァンシュタイン城で拘束され、ベルク城に幽閉された翌日、ルートヴィヒはシュタルンベルク湖で謎の死を遂げた。

王の死によって未完成となった城だが、飾られている壁画、部屋の造作や装飾からルートヴィヒ2世の夢の跡をたどることができる。


☆城のエントランスは、チケットに印刷された時間指定のツアーコード番号ごとに入場可能になる。
ガイドツアーはドイツ語と英語のみだが、日本語のオーディオガイドを借りて(無料)から見学コースに進む。

ガイドがコントロールするツアー中の城内は写真撮影禁止なので、絵はがきとガイドブックの写真でご紹介。

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『玉座の間』

5階まで吹き抜けになった広間は、戴冠式が行われたミュンへンのホーフ教会を模した造り。
教会のような造りは王の信仰心の表れだが、幅の広い大理石の階段の先に置かれる予定だった玉座は王の死で未完のままに終わった。


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『寝室』

王が最も好んだ部屋は(ネオ)ゴシック様式。
191センチという長身の王に合わせたベッドの足もとにはキリストの復活、天蓋にはヨーロッパ中の聖堂をモチーフにした彫刻が施されており、隣室には小ぶりながら王専用の礼拝堂も備えている。
カーテンやベッドカバーの色は、王のお気に入りのロイヤルブルー。
壁の絵にはワーグナーも作曲の題材とした「トリスタンとイゾルデ」の場面が描かれている。

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『居間』

居間は、大きなサロンと柱で区切られた「白鳥のコーナー」とよばれる一角からなる。
壁にはワーグナーのオペラでも知られる「ローエングリンの伝説」の場面が描かれており、板張り、絹製のテーブルクロスなどには白鳥のモチーフ。王が読書を楽しんだこのコーナーにはマヨルカ焼きの白鳥の花瓶が置かれている。

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『歌人の間』に向かう廊下の窓からアルプ湖が見える。
(窓外の景色は撮影可)

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『歌人の間』

王が熱望した壮観な広間は、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」の舞台となったヴァルトブルク城の『歌合戦の間』を模している。
王の情熱にもかかわらず、存命中に一度も広間を使うことはなかった。
現在、毎年9月、「パルシヴァルの伝説」の壁画で埋め尽くされ、600本のローソクをつけた豪華なシャンデリアの広間で城内コンサートが開催されている。


ガイドツアーは『歌人の間』で終了。(所要約1時間)
城内のカフェでひと休みし、売店で絵はがきなどを購入して城から退出。
売店には、ルートヴィヒ2世の従姉妹で、ヴィッテルバッハ家出身のオーストリア皇妃エリザベートのグッズもあった。王は、エリザベートの妹と婚約しながら10カ月で解消し、生涯独身だった。

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城から坂道を下ってマリエン橋近くの城の外観撮影スポットへ向かう。

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マリエン橋から望むノイシュヴァンシュタイン城

城の後方はバイエルンのチロルとも呼ばれる緑豊かなアルゴイ地方(一部の外壁は修復工事中?)

ルートヴィヒは建設を命じたどの城よりもノイシュヴァンシュタイン城の完成を望んでいたが、17年の歳月をかけて建設されたこの城に王が滞在できたのはわずか172日間だけ。


☆帰路は、川の滝壺を見学してからシャトルバス利用でホーエンシュヴァンガウへ戻った。

☆バス乗り場で、朝方、列車の中で隣り合わせた韓国のご夫婦と偶然再会。韓国語のオーディオガイドがなく、英語の説明を聞いたのできつかったとのこと。お互いにドイツ旅行の無事を祈って別れた。


<フッセンの街>

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オーストリア国境に近く、ローマ人が造った軍用道路の砦として生まれたフッセンは、ロマンチック街道の南端であると同時にアルペン街道の街でもある。
街の広場に面した老舗ホテルのカフェは皇妃エリザベートをモチーフにした「シシイトルテ」が有名。

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シュヴァーベン料理のレストランの片隅に、フッセンが発祥の地である古楽器リュートが飾ってあった。

☆名物の濃厚なチーズたっぷりのパスタや餃子のようなパスタが入った優しい味わいのスープなど、フランスやイタリアから影響を受けたというシュヴァーベン地方の郷土料理を楽しんだ。(レストランおよび料理の詳細はこちらで)

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アルプスの麓にある古い街は中世の建物が並ぶ美しい街並み


フッセンで宿泊した駅前ホテルは、ひと昔前のスキーリゾートホテルを思わせる造りでしたが、翌朝早くホテルを出発して、ロマンチック街道を巡るヨーロッパバスに乗車するには便利でした。

翌日は、私がどうしても行きたかったヴィース教会と、”ロマンチック街道のハイライト”ローテンブルクに向かいます。









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