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原村の小さなホール裏方日記:新緑に包まれた雨の原村で藤村俊介さんのチェロ演奏会 [原村の小さなホール]

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(信州・原村リングリンクホール)

信州・原村のリングリンク・ホールにとって今年初めての音楽イベント「藤村俊介チェロ演奏会」が先週末開催されました。

私が原村の小林節子さんのホールに初めて出かけたのは、2年前の藤村さんの演奏会。

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交響楽団次席チェリストを務める藤村俊介さんは、毎年新緑の季節に、ご家族とともに神奈川県から来てくださいます。小さなホールに響き渡る素晴らしいチェロの音色をアットホームな雰囲気で楽しめるこの演奏会は、“チェロ界のヨン様”とも言われる藤村さんの追っかけが毎回東京から駆けつける人気イベントです。

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(アプローチの花壇。満開のヴィオラがお出迎え)

ホールの音響を殊のほか気に入られた藤村さんは、毎年趣向を凝らしたプログラムを企画してくださいますが、当日まで詳しい曲目はわかりません。今回は2年ぶりに奥様のピアノ演奏との共演なのでとても楽しみでした。

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(”美しき5月の原村”)

当日は“雨模様で気温も低め”という天気予報。
しかし東京からの高速バスが山梨県に入る頃には雨があがり、今年初めて原村入りした私を清々しい5月の青空が迎えてくれました。

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(今年1月急逝した”営繕担当”MM君の遺作となってしまった薪小屋。
冬の間活躍するホールのストーブも本日は花台に)

ホールのボランティア・スタッフとして、スタッフとお客様のための料理担当助っ人は、神奈川県から応援に駆けつけた糸さんと私だけ。東京から持参した食材と節子さんに調達してもらった野菜などを使って私は早速キッチンで料理開始。昨年は「タイ料理の夕べ」をコンセプトにしたメニューにしたのですが、エスニックな香りのタイ式カレーは、藤村家の小さなお子さんたちにはちょっと辛過ぎました。その反省で今年は子供も食べられる我が家の定番お惣菜を作ることにしました。

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(奥様の楽譜に注目!)
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(リハーサル風景)

藤村さんご夫妻が到着しリハーサルが始まったので、私も料理の手を休めてホールを覗いてみました。
毎回のことですが、プロの演奏家が弾き慣れたグランドピアノとホールに備え付けのアップライトピアノは音響効果や譜面台が異なるのでお2人は位置決めなども念入りにチェック。今回ピアノの譜めくり役がいないので、奥様はちよっと心配そう。

長めにリハーサルの奥様をホールに残してリビングでひと休み中の藤村さんから、昨年秋
王子ホールで開催された演奏会の裏話などをお伺いしました。名手の演奏を間近で聴けるだけでなく、素顔に接することもできるのがボランティア・スタッフの楽しみのひとつです。


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(遠くの空は明るいのにホールは雨・・・
もしや藤村さんは雨男?)

昼間は青空も見えていたのに、夕方から雨が降り出してきました。どうやら今夜は予報どおり本降りの雨になりそうです。そういえば、昨年の演奏会も午後から雨でした。もしや藤村さんは雨男?
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時前からお客様が続々到着。今夜は小さなお子様連れのお客様もおみえですが、小さな頃から良い音楽に触れる機会がある子供は幸せですね。

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(雨の中お客様が続々お見えです。
まもなく開演)

演奏会が始まるまでの時間を利用して節子さんは自らがプロデューサーとなって企画した「八ヶ岳高原音楽祭」のご案内などで場をつなぎます。913日に八ヶ岳農場の広場で開催する音楽祭には加藤登紀子さんの出演も決まり、節子さんは協賛金集めや準備に奔走している日々なのです。

演奏会終了後の『打ち上げ』用料理作りを終え、私も2階席でスタンバイ。

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(6時半、演奏会が始まりました。
2階席は心地よい響きに包まれてリラックス・・・)

拍手に迎えられた藤村さんが登場し、バッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から演奏会がスタート

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(自作のボードを片手に「3分間クラシック講座」:
”転調はなぜ必要?”)

さて、毎回恒例の藤村さん自身によるお楽しみトーク、今回は、「3分間クラシック講座」です。“転調はなぜ必要か?”をテーマに、自作のボードでユーモアを交えながらのトーク。客席からたびたび笑いが巻き起こり、“掴みはOK?”

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(このホールで奥様との共演は2年ぶり)

チェロの演奏は、ドビュッシー「レントより遅く」、プーランクの「愛の小路」とフランス音楽が続き、お楽しみトーク第2弾は、20年位前のリハーサル中に録音した貴重な音源の紹介。

藤村さんがN響に入団した頃の指揮者ホルスト・シュタインは、後にN響の名誉指揮者となり昨年亡くなりましたがその特異な風貌のためにテノール歌手への道を断念したという美声の持ち主。指揮をしながら朗々と謳い上げて見せるホルスト・シュタインの声量には圧倒されました。

そして最後は、ドイツの巨匠リヒャルト・シュトラウスの「チェロ・ソナタ」。演奏時間30分になる難曲を19歳で作曲したとは驚きです。おなじみのサンサーンス「白鳥」の演奏でアンコールに応え、ホールを埋め尽くしたお客様の熱い拍手に送られて演奏会は無事終了。

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(節子さんのチラシ、糸さんの餃子、私の豚肉紅茶煮など)
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(お子さんたちも喜んで食べてくれるかな?)

会場では藤村さんのCD販売や、お客様との交流が続いていますが、私は裏方として『打ち上げ』の準備にかかりました。リヒャルト・シュトラウスの難曲演奏を頑張った奥様はお子さんたちと笑顔のスキンシップ。リハーサル時の厳しい表情から、すっかりお母さんの顔に戻った様子です。

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(お2人の息の合った素晴らしい演奏に感動!
壁の絵は、節子さんのお父様100歳の作品)

明日もお仕事があるという藤村さんたちを9時過ぎに送り出すまで短い時間でしたが関係者だけでささやかな『打ち上げ』。2日前から準備した「豚肉の紅茶煮」はお蔭様で大好評。そして小学生のまゆちゃんと俊くんのために用意したペンネもお子さんたちが喜んで食べてくれたので私も安堵。

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(帰り際に小一の俊くんが描いたパパとママの演奏風景)






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