『若返りの泉』があったなら?・・・16世紀に描かれたクラナハの名画に釘付け [お気に入り]
(クラナハ「若返りの泉(青春の泉)」:講談社「週刊 世界の美術館」より)
昨年秋訪れたベルリン美術館(絵画館)、私の主目的は、フェルメールの2作品の鑑賞にあったのですが、ドイツ絵画の部屋に展示されていた1枚の絵の前で私と娘は釘付けになってしまいました。
それは、ドイツルネッサンスの代表的画家クラナハによる、「若返りの泉」(または「青春の泉」)という大作でした。(1546年:122.5センチ×186.5センチ)
あちこちから馬車など人の手によって運ばれてきたヨボヨボの老女たちが、泉の水を浴びることで若さと美を取り戻し晴れやかな表情になり、泉の傍らで若い男性とうれしそうに戯れ合う様子をリアルに表現したものです。
私も温泉に入ると、肌がすべすべになる効果を感じ、リフレッシュできて寿命が延びた気分になりますが、この絵が描く世界はもっと強烈です。
(絵葉書の「ユディト」と「週刊 世界の美術館」より「ヴィーナスとキューピッド」)
クラナハというと、『旧約聖書』のヒロインが当時のザクセン宮廷貴婦人の姿で描かれた「ホロフェルネスの首を持ったユディト」(ウイーン美術史美術館)などザクセン風の衣装の女性像や、魔性の女のようにも受け取れる痩身のヴィーナス像が私には思い浮かびますが、この絵は全くノーマークでした。
ホテルに戻ってから手元にあったガイドブックの絵画館のページを見たら、 “こちらも必見!「若返りの泉」”というコラムがあり、“若返りの水が出る噴水にヴィーナスとキューピッドを描き、愛こそが不老長寿の源だと暗示している”との解説がありました。どうやら写真が小さかったのでうっかり見逃していたようです。
(老女が・・・)
(若い美女に・・・)
(噴水を境に変身)
(クラナハ「若返りの泉(青春の泉)」:講談社「週刊 世界の美術館」より)
絵画館の売店で絵葉書を探しても見あたらなかったので残念に思っていたところ、講談社の「週刊 世界の美術館」No.26ベルリン美術館(1月15日発売)に大きな図版があったので早速購入。
この本では、「青春の泉」と題された問題の絵をじっくり見直すことができました。
泉の真ん中にある噴水を境に、若い美女に変身する醜悪な老女たちは、恥じらいや戸惑いの表情から晴れやかで自信に満ちた表情やしぐさに一変します。
この作品を描いたとき、画家クラナハは既に74歳。自分自身に忍び寄る老いを感じていたからこそ生まれた作品なのかもしれません。
伝説としてヨーロッパで語り継がれてきた、この世のどこかにあるという「若返りの泉」がもしあったなら?
私もちょっと試してみたい気はしますが、あまりにも極端に若返ることに無理がありそうですし、効果の持続時間がわからないので心配です。せっかく若返ったと喜んでいたら、ある日突然・・・なんて!
年末に部屋を片付けたら、2年位前に買ってそのままにしていた本が見つかりました。
若返りながらやせる!経絡リンパマッサージでアンチエイジング (LADY BIRD小学館実用シリーズ)
- 作者: 渡辺 佳子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/10/04
- メディア: 大型本
以前にも著書をご紹介した、経絡リンパマッサージの第一人者・渡辺佳子先生の“経絡リンパマッサージでアンチエイジング「若返りながらやせる!」”という本です。
“女性として一番輝いている20歳前半を目指すために、まずは7年前の自分に戻ることが目標”と書いてありました。何事も極端すぎるのは良くないようです。
“また、アンチエイジングで忘れていけないのは、老けない生き方をすること。顔や体には、その人の心のあり方、生き方が顕著にあらわれてきます。内面がピュアで子供のように素直な人は、自然体で美しく、いつまでも若々しく見えます。”
“心身ともに柔軟で、ニュートラルな状態でいることが若さを保つ秘訣なのです。”
などなど、日々の生活で心がけたいことが色々書いてあります。
年末年始、風邪のため体調不十分な状態で出かけたパリの写真を整理していて、自分自身が思っているよりも老けて見える自分の姿にガックリしました。気持ちだけは若いつもりでも体の不調や疲れは隠せないようです。
体内年齢別の具体的なプログラムなどが、写真入で詳しく紹介されているので、私も気になるところから少しずつ実行しなければいけないと改めて思ったことでした。
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