誰が王様になれるでしょうか?・・・「ガレット・デ・ロワ」の楽しみ [食べること]
(「ガレット・デ・ロワ」:1月2日、パリ・マレ地区のブーランジュリー)
最近は東京でも、「カイザー」や「ビゴの店」などのブランジュリーの店頭に1月だけ並ぶ「ガレット・デ・ロワ」というフランス伝来のお菓子があります。
「ガレット・デ・ロワ」は、フランスの各家庭でキリスト教の公現祭である1月6日に毎年食べる慣わしの伝統菓子ですが、最近はあまり日付にはこだわらなくなったということで「カイザー」では1月中は店頭に並ぶそうです。
(「ビゴの店」の「ガレット・デ・ロワ」。
日本人パティシエは、今年フランスのコンクールで333人中の14位)
「ガレット・デ・ロワ」の楽しみは、お菓子の中に1個だけ入っているフェーブという陶器のラッキーチャームと、お菓子と一緒ににつけてくれる金色の紙の王冠にあります。
家族や仲間などが集まったら、「ガレット・デ・ロワ」を人数分に切り分けます。
切り分けられたものにフェーブが入っていた人が当たりで、その日の王様として祝福され、金色の王冠をつけて一日主役を務めるというのが慣わしとのこと。
“王様の言うことには絶対服従”などのルールをあらかじめ決めておくとよいでしょう。
(お菓子の中に、小さなフェーブがひとつだけ隠れている)
フェーブは、2-3センチくらいの小さな陶器ですが、人形や動物などの伝統的なフィギュアだけでなく王冠、バッグや靴などのファッショングッズ、お菓子やパン、書物など様々な形状のものがあり、コレクションアイテムにもなっています。
私も、毎年、このフェーブを集めるのが楽しみで「ガレット・デ・ロワ」を買うのですが、最近は製菓材料を扱うネットショップなどでフェーブを入手できるようです。好みのものを選んだり、10個セットとかのまとめ買いもできますが、私は1個ずつコツコツ集めるようにしています。
だいぶん前に見たテレビ番組では、フェーブはフランスの地方にある小さな陶器工場で作られるということでしたが、今でもフランスで作られているのでしょうか。
(「カイザー」のフェーブは、別添の袋の中)
お菓子の中に埋め込むフェーブは小さいものなので、今年は何が入っているかな?と思いながら食べる方がわくわくしますが、誤飲事故防止のために、別添で販売するお店もあります。(切り分ける前に家でフェーブを「ガレット・デ・ロワ」の中に入れて食べる)
「ガレット・デ・ロワ」のパイの中にはアーモンドクリームが入っていますが、ショコラクリームや、パイ生地のかわりにブリオッシュ生地のものもあります。
公現祭は、日本ではあまりなじみがないと思いますが、カイザーの商品チラシによると、
“12月25日に馬小屋で誕生されたイエス・キリストは、翌年1月6日、旅を続ける東方の3博士によって発見されました。つまり公現祭はキリストが公に姿を現したことをお祝いする日です。
フランスのブサンソンで16世紀に始まり、当時修道院で院長を選出する方法として用いられたと言われています。”
なり手のない、または希望者が多すぎる役員を決めるときに、こういうくじ引きの方法もあるのですね。
当時のフランスは階級制度が厳しく、王様の地位は絶対的なものでしたが、公現祭の日ばかりは誰もが王様になれるチャンスが与えられるとうことで市民の楽しみとして次第に定着したそうです。
日本にも似たような伝統行事が地方にはまだ残っていそうな気がしますがどうなのでしょう。
さて、アメリカ合衆国には新大統領が誕生しましたが、日本の新リーダーは?
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