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平林寺の紅葉・・・武蔵野の雑木林とモミジの融合が織りなす錦 [街あるき]

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(平林寺:埼玉県新座市)

小春日和の午後、
SNS仲間に誘われて埼玉県新座市・野火止にある平林寺の紅葉を見に行きました。

平林寺は臨済宗妙心寺派のお寺ですが、野火止台地の13万坪という広大な敷地の中に、武蔵野のおもかげを残し国の天然記念物に指定されている自然豊かな雑木林があります。雑木林の木々と紅葉した楓が見事に融合した素晴らしい景観の圧倒的なスケールには驚かされました。

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池袋から東武東上線の急行で20分の志木駅南口から西武バスで約10分の「平林寺前」で下車すると、そこは両側にうっそうとした雑木林が広がり、国木田独歩の名作「武蔵野」の世界にタイムスリップしたような場所でした。

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(茅葺きの山門)
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平林寺正門前でSNSメンバーと落ち合い境内にはいると、平日にもかかわらずシニアのグループなどカメラ持参の入山者がたくさん来ていました。本日は、昨年もSNSのメンバーを案内してくれたジョーさんという心強いガイド役が一緒なので広い境内の見所を外す心配はありません。
拝観入り口の総門を入ってすぐから素晴らしい紅葉が出迎えてくれたのですが、ジョーさんは「まだまだこの先にもっと良いところがあるから」と言います。

茅葺き屋根の山門の横に樹齢500年という見事な「高野槇」がありましたが、水に強いので、湯船などに使われるとのこと。お寺発行のガイドブックによると、平林寺には昭和52年に皇太子時代の今上天皇が行啓されていますが、秋篠宮家の長男悠仁様のお印はこの「高野槇」。過密日程をこなされている天皇陛下が少し体調を崩されたというニュースに接すると、皇室のお世継ぎ問題が気になりますね。

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(雑木林にとけ込んだ紅葉)

平林寺は禅修行の専門道場であるため、摂心日にあたる1218日は、本堂は拝観休止となっていました。
鐘楼をみながら遊歩道を進むと、精進料理の材料使うのでしょうか嵯峨野のような竹林があります。

やがて遊歩道からお寺の建物は見えなくなり公園の中にいるような風景が続きます。

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(光を受けて燃えるような紅葉を背にした「歴代塔所」)

しかし、門構えのある石段の上の「歴代塔所」にお参りすると、この寺が長い歴史をもつ由緒ある古刹であることがよくわかります。

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(雑木林の足元に密生したクマザサ)
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先週末訪ねた京都の東福寺も平林寺と同じく臨済宗の大きなお寺。”春の桜を伐って秋の楓を選んだ”東福寺には日本庭園の様式美を感じましたが、雑木林と楓を融合させた平林寺はもっとダイナミックで荒削りな美しさでしょうか。

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(紅葉狩りは晴れた日に!
光を通して見た時、輝くような美しさの紅葉も、同じ木を反対側から見ると??)
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(もしモネがこの庭を描いたら、どんな作品になるのだろう・・・)

素晴らしい好天に恵まれ、日の光によって微妙に色合いが変化する楓の紅葉を満喫したのですが、光の取り入れ方にこだわった印象派の画家・モネのジヴェルニーの”睡蓮の池の庭”を見学したときと同じような色彩美を平林寺でも感じました。

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(野火止用水とつながる放生池)

私たちは、沢山写真を撮りながらゆっくり散策しましたが、広い境内は遊歩道も幅広く殆ど平坦なのでシニアにも優しい紅葉スポットだと思います。雑木林には飛来する野鳥も多く、地名の由来となっている「野火止塚」や川越藩主・松平伊豆守信綱一族の墓などもあるので色々な楽しみ方ができそうです。

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(ゆっくり散策しても2時間弱のバリアフリーなコース。
平林寺の帰りは、門前の茶屋で甘酒でも)


東京生まれの東京育ちながら浦和レッズのサポとして埼玉スタジアムや浦和駅周辺はしばしば訪れる私ですが、埼玉県の観光資源についてはこれまで殆ど興味がありませんでした。これは私だけの問題ではないようで、全国的にみると埼玉県は都道府県別観光ランキングなども低く、「観光に行ってみたい場所」としてなかなか思い浮かばないエリアだとか。
今回平林寺の紅葉を体験して、古都・鎌倉の紅葉にも匹敵するような紅葉の名所が埼玉県にもあったことがわかりました

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(平林寺の拝観券には「一期一会」の文字
写真右下の黒い粒は、雑木林で拾った「ムクロジ」の実;羽根突きの羽根の玉に使われる)

さて、本日ガイド役を務めてくださった森林インストラクタージョーさんの近著「荒川流域ジョーさんの植物そぞろ歩き」には、葉っぱの見分け方や、紅葉のメカニズムなど身近な植物の蘊蓄話が色々書かれています。

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(平林寺の傍を流れる「野火止用水」)

自然界の植物に関する知識が殆どなかった私も、ジョーさんと一緒に歩いたりしている内に少しずつ植物の生態系などに興味がもてるようになりました。そういえば、学生時代の仲間とのハイキング倶楽部も発足当初は森林インストラクターの後輩が色々ガイドしながら一緒に歩いてくれたのでした。彼が東京からいなくなってしまったので最近はおしゃべりを楽しみながら歩くハイキングになってしまいましたが、植物に対する知識がもう少し深くなると歩きながら勉強するという楽しみ方もできそうですね。


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