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羊飼いの草原に佇む世界遺産「ヴィースの巡礼教会」 [海外旅行]

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(絵はがきのヴィース教会:左上隅のキリスト像に注目!)

9月のドイツ旅行で私がどうしても行きたかったところの一つは世界中から年間100万人以上が訪れるというロマンチック街道で最も有名な教会 世界遺産・ヴィースの巡礼教会」。

最近は日本発のパッケージツアーのコースにもなっていますが、ヴィース教会」は広大な草原の中にポツンと佇むと言う表現がぴったりな立地にありますディズニーのシンデレラ城のモデルと言われている「ノイシュヴァンシュタイン城」にほど近いエリアですが、ロマンチック街道から脇道にそれているためバス便も少なく娘と二人で行く個人旅行ではアクセス難度が高いことがわかりました。

唯一見つかったのが、主要なポイントでは下車観光が可能だという「ヨーロッパバスのロマンチック街道コース」。ガイドブックやインターネットで調べると「ヴィース教会」に停車するバスは、朝8時にフッセンを出発するコースのみで、しかも停車時間はわずか17分間。フッセンに宿泊しない限りバスに間に合いません。実質8日間というスケジュールの制約で、ミュンヘン市内観光と「ヴィース教会」の二択を迫られました。
2年前、W杯観戦のついでに足を伸ばしたという友人に相談したところ、「17分間でも見に行く価値は十分ある」と薦められたので、結局“いつでも行ける”ミュンヘン観光はまたの機会に・・・

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(アルプスの麓の街フッセン)
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(古楽器リュート発祥の地・フッセン)

私たちは、ノイシュヴァンシュタイン城を見学してから、ロマンチック街道の南端にあるアルプスの麓の小さな街フッセンに泊まりました。フッセンはローマ人が造った軍用道路の砦として生まれた街で、古楽器リュート発祥の地として栄えた時代の名残で中世の街並みが残っています

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(フッセン駅前のヨーロッパバス乗り場)

朝8時、フッセン駅前のバスターミナルからフランクフルト行きのヨーロッパバスが出発しました。
本日のルートは、フッセン→ヴィース教会→ミュンヘン→アウグスブルク→ノルトリンゲン→ディンケンスビュール→降車するのは宿泊予定地のローテンブルク。
ヨーロッパバスの時刻表では、途中何カ所か下車して観光する時間があります。
私たちは日本からネット予約しましたが、ハイシーズンでなければ予約なしでも乗れるヨーロッパバスの車内では、ドイツ語の他に英語と日本語で観光ガイドのテープが流れ、日本語版の簡単なコースガイドパンフレットも乗客にサービスされます。この日の乗客はミュンヘンまでは日本人6名のみ。

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(草原の中に佇むヴィースの巡礼教会。手前に以前の小さな礼拝堂の小屋がある)

ノイシュヴァンシュタイン城の麓の街・ホーエンシュヴァンガウを経て、朝9時前に「ヴィース教会」に到着。辺りを見回しても牛の姿ばかりで民家など見あたらず、まさに羊飼いの草原に佇む巡礼教会という表現がぴったりです

なぜこんなへんぴな場所に立派な教会が建てられることになったのか?
ガイドブックによると、ある一体のキリスト像がおこした「ヴィースの奇跡」によってヨーロッパ中から巡礼者が訪れるようになり、それまでの小さな礼拝堂では対応できなくなったからとのこと。

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外観はシンプルな「ヴィース教会」ですが、中に入ると、華やかな金細工を多用したロココ様式の主祭壇と天井画に圧倒されます。ドイツというと地味なイメージがありますが、ヴェルサイユ宮殿を彷彿させる華やかさです。

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(絵はがきによる主祭壇)

聖堂内は現在写真撮影禁止になっているので、豪華絢爛な主祭壇と天井画は教会前の売店で求めた絵はがきでご紹介します。
主祭壇の奥にある『鞭打たれるキリスト像』は、ある修道院で造られたものの、傷があまりにも痛々しいということで放置されていました。それを哀れに思った一人の農婦が譲り受け、小さな祭壇を造って熱心に祈りを捧げていたところ、1738年6月14日の夕方、キリストの目から涙のような水が流れ落ちたそうです。この不思議な現象を聞きつけた熱心な巡礼者がヨーロッパ中から押し寄せたため、「ヴィース教会」が建設されることになったそうです。

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(絵はがきによる天井画)

大理石と化粧漆喰の聖堂の天井には見事なフレスコ画が描かれています。

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1754年に完成した「ヴィース教会」は、ドイツロココ様式の最高傑作といわれるほどゴージャスな装飾ですが、信者ではない観光客が世界中からたくさん来る人気スポットになったのは1983年にユネスコの世界遺産に登録されたことが大きいと思われます。

私たちは9時前に到着したので、ツアーの団体客が押しかける前の静かな聖堂で「世界遺産」を堪能しました。
私はキリスト教信者ではありませんが、聖堂の堅い木の椅子に腰掛けて、『神様の家』を訪問している気分を静かに味わうのは好きなのです。

バスへ戻ろうとする頃、日本人のツアーバスが到着し、聖堂内が急ににぎやかになりました。
以前は聖堂内の写真撮影が許可されていたのに、“聖堂内でフラッシュ撮影を強行するツアー客(特に日本人?)のマナー”が撮影全面禁止の措置に結びついたことはとても残念です。海外旅行前に、デジカメのフラッシュが光らないための『発光禁止モード』に切り替える操作だけは覚えておきましょう。

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(キリスト教グッズが飾られたヴィース教会近くの土産物屋)


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